これ……貰ってください!!
突然どうしたんだ?今日は私の誕生日でもなければどっかの厩で神の寵児が生まれた日というわけでもあるまいに。
そんなの関係ないよ。僕があげたいと思ったときにあげたいものをあげるからこそ、僕の気持ちが伝わるってもんでしょ?
だから、これは僕からの気持ち。
君の気持をくれると?
それは気恥ずかしくも嬉しいな。
封筒に入っているところを見ると手紙だったりするのかな?
ん…?
何も入っていないように見えるが…。
あれ、おかしいな?
ちょっと貸してみて。
あ、あったあった!
手を出してみて。
ん?こうか?
はい!!
あぁ!四つ葉のクローバー!!
さっき見つけたから君にあげようと思ってさ!!
このクローバーみたいに、君に幸せになってもらえたらってさ。
四つ葉のクローバーみたいに…か。
シロツメクサの葉はそのほとんどが三つ葉だけれど、こうやってたまに四葉が生える。
だけれど、四つ葉のクローバーは暗く光の当たらない、しかも人や動物に踏まれるような場所に生えるんだよ。
いっぱい傷ついて、光も当たらない場所で生きてるそんな奴らみたいに、君はなって欲しいって言うんだな。
ち、ちがうよ!!!
……。
ぷ…ぷくくくく。
いいね、いいぞ。
相変わらず君の焦った顔は可愛いなぁ。
はっ!?また嘘ついたの!?!?
いや、嘘はついていない。
まぁ、本当かはわからないが四つ葉のクローバーがそういう場所に生えやすいっていうのは実際に聞いたことがある。
本当に傷ついて、光の当たらない場所で生きている。
ご、ごめん!そんな風になって欲しいなんて言って!!!
いや、いいんだ。訂正しないでくれ。
だってすごいじゃないか。
そんな生き方を乗り越えて、誰かを幸せにできるだなんて、格好いい以外の何物でもないだろう?
私だって、できるならそんな風になりたいと心底思うよ。
……なれるかな?
確かに君ほど強い人で、君ほどの頑張り屋さんならそんな風になれるかもしれないけれど…。
残念無理だね!なれないね!!
だって君はこれからもずっと僕のそばにいるんだよ?
僕が君にとっての太陽になってみせるから、無理に決まってる。
お、格好いいことを言うなぁ。
でもまず太陽になる前に北風になってくれ。
まだ5月だっていうのに今日は本当に暑い。
太陽は寄るな近づくな。
ちょっと離れた上であまり離れすぎるな。
あと5cmこっちに寄ってもいいぞ。
格好良く終わらせてよ!!!!
ふふん。