-俺ん家なんかに美少女が
訪ねてくるはずがない!!-
-俺ん家なんかに美少女が
訪ねてくるはずがない!!-
それは晴天の霹靂だった。
いや、今日は晴天ではなく、大雨が降っているわけだが……。
とにかく、それは突然の出来事だった。
む、何者だ……?
密林からの発送メールはまだだったし、例のエ〇ゲーの発売日はもう少し先だったはず。
ということは、新聞の勧誘か何かか……?
なら、取るべき手段は一つ。
スルーだ!!
当然、無視だ!!
……
うるせーよ!!
結局、玄関まで来てしまった。
新聞ならネットで間に合っている
早々に立ち去れ!!
新聞?
……
新聞屋さんじゃありませんよ~!
女の子の声……?
しかも、可愛い声。
この部屋に越して来てから、おふくろ以外の女の声を自分ん家で聞いたのは、TVとエ〇ゲー以外では初めてだ。
これは……罠だ。
きっと、そうに違いない。
ドアを開けてしまったら最後、高価な絵を買わされるのだろう。
いや、壺かもしれない。
開けた瞬間「壺が割れてしまった」とか難癖をつけられ、高額な弁償代を払わされるに違いない。
その手には乗らんぞ……!!
絵も壺も間に合ってる!!
お引き取り願おう!!
絵? 壺?
……
セールスじゃないですよ~?
押し売りではない……!?
分かった!!
物を売るのではなく、心を売れというのか……!?
俺の心は唯一神……つまり、某二次元キャラクターにとうの昔に捧げている。
今さら、その他の神に捧げる信仰心などないわ……!!
俺には心に決めた神がいる!!
お祈りなど不要だ!!
お祈り?
……
いえ、お礼に来ました!
お礼?
何か恩を売るようなことをしたか?
さっぱり分からない。
……いや、考えろ。
そして、思い出せ。
これまでプレイしたエ〇ゲーのシナリオの数々を……。
そう、主人公は気付かないうちに女の子に恩を売っているものだ。
つまり、すでに「フラグ」が立っているのだ。
そして、今、この時の主人公は俺自身。
選択肢は下記の通り。
⇒「ドアを開ける」
「ドアを開けない」
わざわざ「フラグ」を折る理由があろうか?
いや……ないっ!!
全く心当たりはないが……
いーらっしゃいませっ!!
あ、やっと開けてくれた……
こんにちは~!
はい、こんにちは……
そこには女神……もとい、美少女がおりましたとさ。
続く……