ご飯を食べた後、俺たちはショッピングセンターに向かっていた。もちろん、俺の買い物ではない玲の買い物だ。まったく、女子同士でもないのにわざわざ買い物に一緒に行かなくてもと言ってやりたいが当然の如く言えるわけがない。何故かって? ふっ、横でこんなルンルンして可愛い玲ちゃんの気分を下げることなど俺にできるはずがないだろおおお!

太陽が……眩しい

お前が外に出ないからだ

そんなこと言われてもな…今は春休みだぜ?ゲームする以外に何があるんだっての

外に出たりとか外に出たりとか?

何その笑顔怖いよ。外に出る以外選択しねー! なんてやつだ。俺に死ねというとは…っ。
俺はインドア派なの! お前みたいにアウトドアしてないの! もうちょっと俺のことも考えて?(懇願)

でさ…俺もう帰っていい?

蒼にはちゃんと付き合ってもらうからね?

……ひっ!?

はい、女言葉乙ーー!! 俺が盛大に驚いていると玲は抑えるようにして笑う。ちょっとれいちゃんー? その笑い方が一番腹立つからやめてくれないかなぁ? なんて思いながら歩いていると大通りに出る。そこにはやはりたくさんの人がいて……はい、俺はもう終わりました。なんでさ、なんでわざわざ自分が死ぬの分かってて人ごみの中を歩かなきゃなんないのさ! しかもそのほとんどが男性っていうどこの国でしょう…ここは日本じゃナカッタノ? ヤバイどこを見ても同じような男性だから脳がゲシュタルト崩壊してる。アレ?この人さっきも通らなかったっけ? あれ?この人さっき見たような? ダメだ訳わからん。

男性が多い…

そりゃそうだろ。今日は休日だし女尊男卑の世界だから買い物とかの雑用は男性だろうから

女尊男卑ね……男がドMの世界

おい、ヤメろ

いや、だって女にこき使われても文句言えない男ってそれ完全にドMじゃん!? ま、まぁ俺はドMじゃないけどな! なぜなら自分の意見はちゃんと言える蒼くんだから。見たか!女子ども! 女子にはブレードという名の武器があって男にはないが…戦争だ戦争!! なにそれ無理ゲー。そ、蒼くんもやっぱりドM入りしよーかなぁ。

なぁ、さっきから目線感じるんだが…

あ、うん。気のせいだよ

もちろん、気のせいなどではない。これは最初っからわかっていたことだ。美少女な玲ちゃんが外を歩く→外にはどうて……コホンッ男がうじゃうじゃいる→汚い目で美少女をみる。おっけー?どぅーゆーあんだーすたんど?イエスしか答えは求めていません。

気のせいならいんだが…

玲の言葉に少し苦笑して俺たちは足早に目的地へと向かう。しばらくしてショッピングセンターに着いた。流石にこの場所は女子の遊び場になるので男だけという事はない。それにひとまずホッとし中に入ろうとした時、服の裾を引っ張られた。何事かと思い後ろに振り向く。

どうした?

あれみろ

驚いたような顔をしてある場所を指している玲。その場所に目線を向ける。 はい、リア充乙ー!! その場所にはカップルがいた。とっても仲が良さそうだ。って、待て待て待て。あれは……同じクラスの…誰だっけ? ゴメンネ。俺はリア充の名前覚えてる余裕はないの。なぜなら、覚えてるだけで不快になるからなんじゃーい!

あれって和樹だよな?

ヤメろ、名前を言うんじゃない。

誰だっけ?和樹って

ガチで言ってんのか?俺よりお前の方が仲よかっただろ

いや、そんな奴は知らん。行くぞ

そう言って早く建物の中に入ろうと逃げるように小走りで歩く。小走りって走りって書いてあるのに俺はあるいてんだぜ? 想像できないだろ。ワイ ジャパニーズ ピーポー!? 

和樹

あぁ! 蒼じゃん!おひさー

どうやら見つかってしまったらしい。やはりこいつの察知能力がとてつもなく高い。く、くそう。こいつめんどいんだよな。なっとうがネバネバくっついてくる並にめんどい。俺は納豆が嫌いだからコイツのことが嫌い(暴論)。

はいはい、おひさー。そしてバイ!

和樹

おいおい、お前はこの俺の聖なる力でよばれたんだぜ?もう少しぐらい話を聞くがいい!

要約
俺は彼女が出来たから話を聞いて欲しい、以上!

誰がノロケ話なんてきくか!

和樹

なに!?お前には全てお見通しってわけか……さすがはドラゴンの力を手にし者!!

ちょっと誰かー? ヘルプ ミー。この人頭がおかしい。とてつもなく関わりたくない。厨二乙ー!って叫びたくなるからホントに天にめされて欲しい。

はぁ。行くぞ玲

え?え?………あぁ

和樹を無視して歩き出す。それに玲も後ろをついてくる。まったくもってめんどくさい。休日に厨二の相手なんて何が楽しくてしないといけないのやら。そ、そんなことする暇があったらリア充爆発しろと何回もつぶやくわ。え? だから童貞なんだって? うるせー。

さてと、何を買うんだ?

えっと、私服と下着

そうか、ならはやく済ませるぞ

なるほどなるほど服だったか。そういえば俺も長らく買ってないな。自宅警備員(仮)をしている俺には必要ない必要ない。なんか大切なことを忘れてる気がするけど……オール オッケーですよねっ!

ちょ、どこいってんだよ!

ど、どこって…男子物の………あっ

そうだったぁぁああ!! こいつ女じゃん。何が大切なこと忘れた気がするだよ。ソレじゃん。あーもう!ややこしい。ハハハハ、下着買うって言ってなかったっけ? もうそれ死亡確定じゃん。

その、すまんな。遥姉が行ってこいって言うから…

俺の今の状態を察してかそう声をかけてくる玲。だがしかーし!既に遅いんだよ鈍感野郎。俺が怒っているように見える? はっ、はらわた煮えくりかえっとるわーー!!! 腹にあるわたが煮えてんじゃぁぁあ! もうつかれました(小並感)

あ、でも。悪気があったわけじゃ……

わかってますよっ

もう一週通り越してどうでも良くなってきた。あれ? 一週通り越しても元に戻るから意味なくね? もうすでに意味わかめ(混乱)。まぁ、俺は心が寛大なんで許してあげましょう。

玲(間抜け)は悪くない

おい、そのルビはなんだ。蒼さん(ヘタレ)?

悪魔的な笑顔いただきましたぁぁあああ!!!

6 お前が女子だと忘れていたよ

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