父さん

おーい
そろそろ島に着くぞー
降りる準備しといてくれー

あぁ
わかった

俺たちは夏休みに故郷に帰省していた。

由美

久々でなんか楽しみだね♪

こいつが俺の姉貴の由美
頭は良いが運動はまるっきしダメだ。
…あとは、ピアノが上手い。

俺は運動も勉強も平均よりちょい上ぐらい
俗に言う器用貧乏だ。

そう…だな

由美

なにー?あんまり楽しそうじゃないね
船酔いでもしちゃった?

そんなことないよ
久しぶりだから緊張してんだ

姉の気持ちとは裏腹にあまり乗り気ではなかった。

船の先の方で大きな音がした

父さん

船底がサンゴかなんかに当たったらしい
ここから小型船で島まで行くしかないみたいだ

由美

えー!
泳いでいかないの?

いや、服びっしょびっしょになるから

こうして俺らは船を碇で止め港まで小型船で行くことにしたのだった

由美

いやー疲れたねー

ただ乗ってただけだけどな

父さん

ほら、2人とも行くぞ

こうして俺たちはこの島に降り立った。
このときはあんなことになるなんて思ってなかった。

由美

きゃー♪久しぶり我が家!

つってもそんなにここで暮らしてないだろ

由美

そーゆーこと言わない!!

父さん

実際家族ほぼバラバラだったしな…

由美

うん…

…こんな話ささっとやめて
じいさんのとこいこうぜ

父さん

そうだな
まずは長老に挨拶に行こうか

昔の話は嫌いだ
反吐が出る

だって俺たちは奴隷だったのだから

俺と姉貴と桃源郷

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