お待たせー!太郎、出来たわよー!

笑顔で、彩が長い机の上に料理を運んできた

太郎

わーい!ご飯だぁ!

はしゃぐ太郎の横を顔面傷だらけの夜太も机に座る

夜太

美味しいそうだよねー、、、太郎、、、

太郎

お父さん、、、どうしたの、、、?

なんでもないわよねー?夜太?

夜太

なんでもないよ、太郎、、、
お父さんがドジだったからね、、、
さて、食べようか、、、

太郎

う、、、うん、、、

夜太

愛する我が子よ、、、
大きくなって結婚する事になっても怖い奥さんは選んじゃダメだよ、、、

心の中で太郎に語りかける夜太

んん〜?
何か失礼な事考えてない?
夜太〜?せっかくだから、たまには、あーんしてあげようかなぁ〜、、

彩は般若のような顔で、アツアツのハンペンを箸で取った

夜太

あー、、、彩?
僕は猫舌だからあんまり熱いのはちょっと、、

はい!あーーん♡

有無を言わさず彩は夜太の口の中にアツアツのハンペンをねじこんだ

夜太

ウゴゴゴゴ!!!

太郎

お父さん、涙が出るほど、おいしいんだね!

おいしいんに決まってるわよね〜?夜太?おかわり、どーぞ召し上がれ〜♡

間髪入れず、再度アツアツのハンペンが夜太の口の中にねじ込まれる

夜太

んーー!!!
んーーーー!!

口を抑えて転げまわる夜太

これで、イケメンなんて、よく言うわね
呆れたわ、、、なんか言う事があるんじゃない?夜太?

夜太

彩、、、いてまでも彩を愛してるよ、、
僕は幸せ者だ、、、

震えた声で謝る夜太

わかれば結構

機嫌が戻った彩がふと気づいた

太郎

、、、、コレ、、、

太郎が箸を持ちながら彩を見つめている

太郎

どうやって使うの?お母さん、、、

ゴメンね!太郎!
箸の使い方教えてあげないとね!
こうやって、こうやって、こう持つのよ?

彩は太郎の手を持ちながら箸の使い方を教える

太郎

んー!
むずかしいよぉ、、、

悪戦苦闘する太郎

夜太

慣れるまでの辛抱だよ、太郎!
頑張れ、頑張れ!

水を飲みながら見守る夜太

太郎

うん!頑張るよ、お父さん!

夜太

頑張ってる太郎、、カワイイなぁ、、、
だけどなんで玉子に挑戦したんだろう、、

ふと、疑問に思った夜太

太郎大丈夫?
玉子は難易度高いんじゃない?
ツルツルしてるから、掴みづらいわよ?

心配そうに太郎の側で見守る彩

太郎

うん、、、でも、、、
もう少しで掴めそう、、、なんだ、、

皿の上の湯で玉子をツルツル滑らせながら、箸で掴もうとする太郎

努力家な我が子が可愛くてしょうがないわ、、あ〜手を貸してあげたい、、でも頑張ってるからダメだよね、、

彩は笑顔で太郎の悪戦苦闘を見守る

太郎

後、、すこ、、し、、で、、、

そして、ついに太郎は玉子を持つことに成功した

夜太

よく出来たね太郎!!

本当ね!偉いわ太郎!!

太郎

えへへ、、ありがとう、お父さん、お母さん、、

照れる太郎だったが次の瞬間

太郎

あっ、、

アツアツの玉子が彩の顔面にぶつかった

あっつぅぅぅ!

夜太

ぷっッッ、、
よく出来たね!太郎!!

思わず笑う夜太、心配する太郎

太郎

あ、、、ゴメンなさい!お母さん!!

いいのよ、太郎、、
失敗を重ねて人って大きくなっていくのよ?
今のはその一歩目なんだから、、、

布巾で顔を拭きながら彩は太郎に笑顔で言った

だから太郎、、、
失敗は悪い事じゃないのよ?
悪いのわね、、、

彩の笑顔が般若のような顔になっていく

太郎

あぁ、、、、

人の失敗を笑う者よ!この、馬鹿夜太ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

恐ろしい怒鳴り声と共に鍋の中の具材を次々と夜太の口の中にねじ込む彩

夜太

ンギャァァァァァァァ!!

アラアラ、絶叫する程おいしいなんて、作った甲斐があったわね〜?

そして、夜太は動かなくなった

さて、お仕置きも済んだし
食事の続きをしましょうね、太郎♡

太郎

うん、、、お母さん、、、
お父さん大丈夫かな、、、

夜太

大丈夫だよ、、、
太郎、、、

グッタリとした、夜太は無視され太郎と彩の食事は続いた

んんー♡この、お魚おいしいわね♡
はい、太郎、あーん♡

太郎

あーん、、、

太郎

うん、おいしい!

こうして、はじめてのみんなでご飯!は無事(?)終わった

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