太郎

ん〜、、、んん?

夕方の冷え込みで太郎がふと目を覚ました

あら、おはよう太郎
夕方だけどね

太郎は泣き疲れ、寝ていたはずだったが、気付くと彩の膝の上に横になっていたようだ

太郎

おはよう、お母さん!
ぐっすり寝れたみたい!

ふと、太郎は周りを見回す

太郎

アレ??
お父さんは?まだ帰ってないの?

そうね
晩御飯までに戻るように言ったのに、、
でも、、、

彩は意地悪そうな顔で太郎をみつめる

太郎の可愛い寝顔をたーーぷり、堪能できたから私的には満足かなぁ〜?ヨダレなんて垂らしちゃって!

彩が太郎をぎゅーっと抱きしめる

太郎

アハハハ!やめてよお母さん!!くすぐったいよぉ〜!

なぁに〜!?
このこの!!

彩と太郎が戯れてる間に夜太が姿を見せる

夜太

ただいまぁ〜!太郎、彩、イケメンお父さんのお帰りだよ〜?

太郎

わーい!!
おかえり!お父さん!!

あら、イケメンな私の旦那様、おかえりなさい、太郎がお腹空かせてるから料理の手伝いしてくれるかしら?支度は出来てるから

夜太

あ、、、彩、、、?なんか、怒って、、ない?

夜太は彩のちょっとした雰囲気の変化を察した

別に〜
我が子が可愛い寝顔で私の膝の上で、寝てた所までは機嫌がよかったわよ?

太郎

でも、ずいぶん帰りが遅かったんじゃないの〜?

夜太

いや、、ちょ、、、ゴメン、彩、、、
ちょっと天気がよかったもんだから川の近くで昼寝を、、、

へ〜?そうなんだ?
愛する我が子と妻をほったらかして昼寝?
いい度胸してるわね?

太郎

お母さん、、、怖いよぉ、、、

夜太

た!太郎!お腹すいたよね!?
ゴメンね!今すぐ、彩と御飯作るから!!

わかればよろしい
まったく、後少し遅かったら締め上げるところだったわ

夜太は逃げるように台所へ走って行った

まったく、、、
太郎が可哀相じゃない、、、
太郎が餓死なんかしたら夜太ブチ殺して、、、

太郎

僕は、、!大丈夫だから!お父さんに酷いことしちゃヤダよ、、、お母さん、、、

ウフフ♪大丈夫よ?
お母さん昔から夜太にはなんでかイジワルしちゃう癖があるの、、、今は太郎のお父さんでもあるもんね?酷い事なんてしないわよ

夜太

あ、、彩さん、、、
鍋焦げそうなんですが、、、

焦がしたらぶち殺すわよー!!

太郎

ひいいぃ

夜太

あわわわわわわ!

待ってなさい!!今行くから、まったくもー!

太郎
御飯できるまで、お利口さんにしてるのよ?

太郎

はい!お母様!

はい、いい返事!
じゃいってくるわね!

夜太

彩ーーー!!早く!!
煙が、、、鍋から煙りがぁぁぁぁ!!

だから、火止めなさいよ、この馬鹿ぁぁぁぁ!

太郎

あはははは!おとうさん、必死だ!

彩がとてつもない、スピードで台所に走って行った

太郎

僕は幸せ者だなぁ、、、
こんなに優しいお父さんとお母さんが出来て、、、、まだ、生まれたばかりでわからない事だらけだけど、これからお父さんとお母さんの言う事をしっかり聞いて、成長しよう、、、

台所から聞こえる夜太の悲鳴や何かが割れる音、賑やかな音を聞きながら太郎は晩御飯を楽しみに待つのであった

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