ソラ

見つけてって何だよ・・・

ソラ

シロを助けてって・・・

シロは跡形もなく消えてしまった。
もうどこにもいないのに、助けてだなんて。

ソラ

クッ

あの黒のシロが、僕に向けて黒いものを飛ばしてきた。
逃げなきゃ。
逃げてどうするのか、わからない。
それでも逃げてどうにかしなきゃ。

僕はまた走り出した。

ソラ

ハア、ハア、ハア・・・

桟橋の奥、森の中まで走る。
黒いシロも、ロボットの姿も見えなかった。
けれど油断はできない。

ソラ

でも、どうすれば・・・

シロのことを思い出す。
シロを見つけて、助けて。
シロはそういった。

ソラ

そういえば、今のシロは昔のシロと違うって・・・

シロ

でもそれは、いまのシロじゃない

いまのシロと昔のシロは違う。
それなら、シロが助けてと言ったのは、昔のシロのことなのだろうか・・・?

ソラ

探すのも、昔のシロ・・・?

そういえば、この森に見覚えがあった。
二人で踊った噴水から来られるところだ。
昔、あの時も、二人でここにきたのかもしれない。

ソラ、わすれないでね

忘れないよ・・・

ぜったいみつけてね

うん
ここにいるシロのこと・・・

忘れない

ソラ

そうだ!
ここに埋めたんだ
ここに、シロの・・・

僕は記憶を頼りに地面を掘り返す。
落ちていた石を拾い、泥まみれになりながら探した。

ソラ

あった・・・

それは両手に乗るくらいの箱だった。
それを手に拾い上げる。

箱は勝手に開くと、中から眩しく光り出す。

箱から何かがいくつも飛び出した。
それは僕の周りをくるくると回る。

僕はその一つを手に取った。

シロの写真。
噴水で踊った二人の写真。
公園でブランコに乗った写真。
たくさんの写真が、僕の周りで舞い踊る。

ソラ

シロ・・・見つけたよ!

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