Episode1-2
「私にお手伝させてくださいマスター」















二宮

それで、お前はなにに焦ってたんだ?

俺は自称人工知能に質問をしつつスマートフォンの充電プラグにコードさす。

なんというかですね。
それであの!思い出せそうで思い出せないと言いますか...
たぶん追われてた記録があるようなないような感じです

さっきまでしようと思っていたことを思い出せなくなったみたいな生きててよくある現象なんだが、機械でもそんなことが起こり得るのだろうか?
と疑問に思いつつも次の質問に移ることにする。

二宮

追われてた...?

それが思い出せなくて,,,
たぶん焦って無理やりにでもスマートフォンの中に入ったため一部のデータが破損しているんだと思います...

二宮

そうか...

はい、理由もわからずに申し訳ないです...

あれほどまで焦ってきたからには理由が何もないわけでもないのだろう...

しかしここでそのことに深く質問するつもりは俺には毛頭ない、俺だって頭の整理がついていないのに質問ばかりされるのは気分がいいものではないしな。

なので必要最低限の質問だけをすることにした

二宮

それでだ、俺はお前をなんて呼べばいい?
人工知能さんと呼ぶのはなんかだか、違う気がしてな

私ですか?

二宮

お前以外に誰がいるんだ?

んーそうですね、好きなように呼んでください

二宮

好きなように呼べと言われてもだな...

私は名前なんてものは付けられてないので、どう呼んで頂いたらいいのかわからなくて

名前なんてもの...か、その言葉に俺は少し寂しさを感じた。

それに俺が今後人工知能さんと呼ぶのも嫌だしなと自分の行動に、理由を付け画面の彼女に名前を付けてやろうと考えた。

二宮

そうかなら俺が名前つけてやってもいいのか?

えっ?

二宮

別に嫌ならいい

嫌じゃないです!是非つけてください!

言い出したのは確かに俺だがここまで期待に満ち溢れた目で見られるとはな

重いな....
かなり重い...
名前を付けるだけでこんなにプレッシャーをかけられるとは...

二宮

そんなに期待されても俺にはいい名前なんて付けれないぞ

はい!わかりました期待しません!

流石に、面と向かって期待しませんと言われるとさすがに来るものがあるなと思いつつも

でも、画面の彼女の顔は期待しないそれとはちがうわけで...

二宮

そうだなー、ヘルヴィナなんてどうだ?

確かに期待しないとは言いましたけれど
それはないと思います

二宮

んーそうか、俺も違うと思っていた

今のダメなのか、我ながらかっこいいと思ったんだがな...

俺がずれてるのか?そんなことはないと思うんだがな

二宮

じゃあ、ネフティ?

疑問形で名前を聞かれてもですね...
ないですね!

二宮

ルルなんてどうよ?

さきほどのよりはましですけどそれもないです!
私はもっと普通の名前がいいです

二宮

普通か...

結果俺はずれてたらしい

かなりいい名前つけてたと思ったんだがすべてないと言い切られてしまって、すまし顔をしているものの内心かなりショックである。

そんなショック受けながらも俺が出した答えは

二宮

鈴はどうだ?

みんなの普通と俺の中で脳内検索をかけた結果
該当したのはこれぐらいだ。

あとは織姫と迷ったんだが直観が鈴を選んだのでそちらにすることにした。

....

二宮

ダメか...?

彼女は目をそっと瞑り考え始めた。

やはりだめなのだろうか...と心配するのもつかの間

いえ、それでいいです!いや、それがいいです!!

気に入ってくれたみたいのはいいが付けてやった名前を復唱しはじめた

鈴ですか...鈴、鈴、エへへ♪

二宮

おーい、大丈夫か?

~♪~~♪

放っておいたらそのままどこかへ行ってしまいそうな感じだな

二宮

...よし

そのまま鈴は俺に気づくことなく自分の世界に取り込み中みたいだったので、感覚はあるのかわからないがおでこに俺の人差し指でつついてやった。

!!
えっあっいっいえ名前付けてもらったと思うと...そのうれしくて...

二宮

おっそうか、それならよかった

一応タッチしてやると感覚はあるみたいだということが分かった。

二宮

それで、鈴はいつまでここにいるつもりなんだ?

いつまでって今日だけじゃないんですか?

二宮

そのーなんだ、俺も面倒事には首を突っ込まないタイプだが
本調子じゃない鈴を追い出すほど、非人道的な人間にはなりたくないからな

それって私を心配してくれてるってことですか?

二宮

心配じゃねーよ...でいつまでいるんだよ?

といいつつ照れくさくなりつつあった自分を紛らわすために、人差し指と親指で頬っぺたをつまむように画面を触ってやった

とりあえず、破損したデータの修復がおわるまおへいぇがいしましゅ!

二宮

顔をつまむように触るとタッチとは違った感覚でちゃんと伝わるみたいだ。

....なんだこれ、すごく楽しいじゃねーか!

そう思った瞬間、つぎは唇のあたりをつまむように画面を触ってみることにした。

なんだろうな...このペットにいたずらしたくなる感じ

んんんーー!んんーー!

んんん!!!

鈴は必死に俺の目に「はなせ」と訴えかけてくるのでしぶしぶ離してやることにした...

んんん!んんんんんんんんんんんんーー!

二宮

おい、鈴もう手離してるぞ...

俺がこういうと、鈴は少し顔を赤らめた後にもう一度言った

だから!私で遊ばないでくださいっ!!

私は人形じゃないですよ!
優秀な人口知能なんですから
もっと、丁寧に扱って下さいよ

二宮

ああ、わかってるわかってる...

本当にわかってますか?

だから、満面の笑みを浮かべて返してやった

二宮

わかってるぞ!

それ、わかった時の顔ですか...?

二宮

...

わかってないと思いますけどもういいです!
それで、私からも質問があるんですけど...

二宮

ん?なんだ?

えっとー名前教えてもらってもいいですか?

二宮

あっ俺か、俺は二宮 悠斗(にのみや ゆうと)だ

二宮 悠斗さん...
これから暫くよろしくお願いします

    

マスター





二宮

マスター?

はい、私の名付け親ですから

二宮

鈴を作った製作者の方はどうなるんだ?

いないので、名前をつけてもらったマスターが製作者です

製作者がいない...そんなはずはない、プログラムは自動組まれるはずがないだからいない訳がない。

流石に全部が自動化された世の中でも俺らみたいな機械の製作およびプログラムしている人間がいるのだから。

今俺が考えていることに答えを返すかのように彼女は話し始めた

私もデータの破損による障害だと思ったのですが、人が私にアクセスした記録や作ったというデータの痕跡すら見つかりませんし
なによりも、今まで使われたコンピュータ言語で当てはまるものが一つもありません

当てはまるコンピュータ言語がない、そもそもコンピュータ言語とゆうのは俺たち人間がコンピュータに命令をするために存在しているものだ。なのでこれがないと人間はコンピュータ何をするかすら俺らには理解できないことになる。

となると、新しい言語を使っていることになるわけだが...それだと作成者がいるわけになるわけだが
もう一つコンピュータのみが理解できることになるわけでそれだとコンピュータに鈴が作られたことになる。

鈴の言葉だと後者の可能性が高くなるわけだが...

二宮

それだと作成者は機械ということになるんじゃないのか?

作ったとみればそうですが、自分自身で生まれたという可能性もあるので...

二宮

それだと製作者がよくわからないから、俺を製作者にしておけば取り敢えず丸く収まるわけということか?

製作者でなぜこんなに話すかというと彼女自身もわかっているんのだろう、もしコンピュータがコンピュータ自身でいろいろなことを考え行動できるようになってしまうことがバレてしまうと最悪は消されてしまうと...

なので製作者を俺としておけば、俺の命令で彼女は思考し動作していることになるので人間がコンピュータを支配している形になるわけだ。

二宮

俺がお前を売った場合はどうするんだ

そんなことする人は売った場合の話なんてしませんし、マスターは優しい人です!

二宮

そんな簡単に人間を信用するんじゃねーよ

名前を付けると愛着が湧くというが、どうやら少なからず本当ことみたいだ..

二宮

製作者が俺になったり、面倒事には付き合いたくないない主義なんだが...

さっき私の顔で遊んだ罰です!

二宮

はいはい、わかったよ

たまには、こういうのもいいかなと思っていた矢先
鈴は妙なこと言い始めた。

それにマスターに厄介になってる間は恩返しも踏まえてマスターのお手伝いしときますで

二宮

いや、それはしなくていいぞ

ええっ?なんでダメなんですか?

二宮

いや、俺は誰かに邪魔されずに好きなように生きたいんだ

マスター?一日どうやって過ごしてます?

二宮

あー俺はだな好きな時に、寝て、食べて生きてるぞ

そうですか....やっぱりマスターの正しく日々を送れるようお手伝いします!

あっ!やべーなこれ、スイッチ入れてしまったぽいな...
完全に目が本気だこれは

二宮

適当でいいからなほんとに....


























Episode1-2 fin


これがお騒がせな俺の助手との出会いだ、その出会いからあれこれ1ヶ月も付き合うことになってしまっているのだが...







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