これは僕が高校2年生だった頃
山口にいる親戚の家に遊びに行った時に
偶然出会った少女と過ごした
少し切ない物語。
これは僕が高校2年生だった頃
山口にいる親戚の家に遊びに行った時に
偶然出会った少女と過ごした
少し切ない物語。
解決はしたけれど
完結はしていない
大学生となった今も続く
悠久の物語——
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
僕は親戚の家に遊びに行くためにしばしば山口を訪れる。そして、彼らの家の玄関をくぐると、そこには取っ手が銀色で紐の部分が赤色のリードが一つ、寂しそうにちょこんと置かれているのだ。
それを見ると僕は、短いようで長かった、楽しくて少し悲しいあの人とのことを思い出す。
* * * * *
山口にいる親戚のことを僕は「マミ」と呼んでいた。本名は違うので名前をもじって作ったあだ名である。ちなみにマミの旦那さんのことは「かっちゃん」と呼んでいた。
彼らは三匹の犬を飼っていて、山口を訪れた時は僕が散歩に連れて行っていた。お母さんの名前は「チェリー」、娘の名前は「ユキ」、そして知人から引き取ったらしい三匹目の名前は「カレン」である。
おーい。こっちだぞ~!
ある日のこと、僕はカレンを連れて近くの公園に散歩に来ていた。僕は犬が好きだが、残念なことに犬の毛にアレルギー反応を起こすため、犬の近くにいる時は常にマスクをしている。
そのため、カレンと一緒に公園を走り回っていると次第に息が切れ始め、息遣いが荒くなった。
ちょ、ちょっとタイム……
それでもカレンは私を置いて元気に走り回っている。いつも来ている場所なので僕は安心して、椅子に腰掛け元気なカレンの姿を眺めることにした。
ハアハア
当然すぐには息が整うはずもなく、ハアハアと大きな音を立てていた時のことだ。
ふふっ
近くでそんな笑い声が聞こえた。驚いて振り返ると、そこには口に手を当ててくすくすと笑っている少女の姿があった。
あっ
恥ずかしいところを見られたと、僕は少々目を細める。目が合うとその少女ほ柔らかな笑顔を私に向け、隣に腰を下ろしてこう言った。
真剣な顔でハアハア言ってる姿、離れたところから見てて危ない人かと思いましたよ?
これが僕と彼女の初めての出会いである。
翌日、僕は彼女に会うことなく帰路に着いた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。
こちらは以前公開していた『赤と銀のリード』をもう少し細かく改稿し、少し長くなったものです。
ストリエ上でせっかくエッセイの紹介があったので、これを機にと再度投稿しました。
前回は一気に終わらせてしまったので、今回は少しづつ連載していくつもりです。と言っても、一度話をあげているので、インポート機能を使えばちょちょいのちょいです(笑)
それでは、どうぞよろしくお願いします
(*- -)(*_ _)ペコリ