……きなんか!!

もう知らない!

和幸

クソ……なんでこんなこと……

和幸はあのようなよくわからない少女からよくわからない勝負を引き受けてしまったことをひどく後悔していた。
こんな勝負、むげにすることもできないことは無いのだが……

和幸

あの湊とかいう女……何物なんだ……?

前では日本史の授業が進んでいるが、和幸の頭の中にはほとんど入ってない

和幸

それにしても、ノートを借りて来いって……意味の分かんねぇ課題出しやがって……
そもそも……

和幸は頭を抱える

和幸

俺友達いないんだよなぁ……

和幸は高校に友人と呼べる人はいない。
休み時間に誰かと雑談するということなど考えられない。
ましてノートを借りるなど……

倉島君。問3の板書お願いできるかな?

おい、倉島。当てられてんぞ

和幸

げっ!

倉島君。問3お願いしますね

和幸

す、すいません……

和幸

くっそ……全部あの女のせいだ……

授業が終わった後で和幸は机に突っ伏していた

珍しいな倉島が授業聞いて無いなんて

隣から声が聞こえる。
どうも一人で過ごしていると他人の悪口が聞こえる気がする……
もしくは他人といると悪口に気がつかないということなのかもしれない

和幸

あいつがいれば……

和幸はそのようなことを考えていた。
いつもならそんなことも考えても無視していたのだが、この日は違った

和幸

もしかしてこれは使えるんじゃ?

和幸はそう考えて顔をあげ、恐る恐る隣を向いた

和幸

み、三神くん……

三神

ん?なんだ?倉島から声をかけてくるなんて珍しいな

和幸

さ、さっきの時間ボーっとしてて……ノートとれ無くて……それで……

三神

ノートかしてくれってか?
別にいいぜ

三神はそう言って日本史のノートを差し出す。

和幸

あ、ありがとう……

三神

お前

和幸

ん?

三神

案外いいやつだな
今度数学のノート貸してくれよ

和幸

あ……
俺ので……よければ……

和幸はノートを抱えて教室を出ていった
三神をはじめとしたクラスメイトは不思議そうな顔をしていた。

和幸

ほら!これで文句ねぇだろ

日弦

うん。確かにノートを借りてきてるね

和幸

ほら、お前の正体教えろよ、アホ女

日弦

誰がアホ女ですって!
まぁいいです……次の試練は……

和幸

おい待て
次って

日弦

あったりまえでしょ!
1回じゃおわりません~
それに、できればあなたには私のことを思いだしてほしいからね

和幸

なんだよ……クソ……

日弦

次は~
クラスの誰かと昼食をするってことで!

和幸

ふざけんなよ……
お前、俺が友達いねぇの知ってんだろ……
なんでこんな……

日弦

じゃ、よろしくね!

そう言って日弦は屋上から降りていった
和幸は空を見上げため息をついた。

第2話:くっそ……全部あの女のせいだ……

facebook twitter
pagetop