彗理( サトリ )学園
こと勉学、部活動において
これといって秀でた特徴がある訳でも
品行の悪い生徒が集まる訳でもない
至って普通の学園に、僕は入学した。
他の学園と違う所といえば
『 特殊科 』と呼ばれる
聞き慣れない科があるという所くらいか。
そして僕は
その聞き慣れない特殊科の1年生だ。
彗理( サトリ )学園
こと勉学、部活動において
これといって秀でた特徴がある訳でも
品行の悪い生徒が集まる訳でもない
至って普通の学園に、僕は入学した。
他の学園と違う所といえば
『 特殊科 』と呼ばれる
聞き慣れない科があるという所くらいか。
そして僕は
その聞き慣れない特殊科の1年生だ。
あれえ、ヒトくんじゃん。 今日はお早いお着きだねえ。 ナニナニ、呼び出しくらっちゃってたりするの?
淡い栗色の髪を
フワリと揺らしながら
僕の前に現れる彼女は
同じ特殊科の3年生であり
入学初日から
やたら僕に絡んでくる先輩だ。
勝手にヒトくんなんて呼ばれているが
許可した覚えはないし
むしろ聞かれた覚えもない。
…… 別に気にしてないけど。
特殊科 3年
冴原 鳴 ( サエハラ ナル )
カニバリズム
えっと、呼び出しじゃないですよ。 何となく、気分で早めに来たんです。 …… 鳴さんこそ、珍しく早いですね。 いつも遅刻なのに。
あ、アタシ? ほらー、最近さ? 運動部が朝練やってるでしょ? それ見に来たの。
僕の言葉にそう返した先輩へ
ジトリとした視線を向けて、溜息を吐く。
この反応の理由は簡単だ。
そもそも、この先輩が早起きして
運動部の朝練を、純粋に眺めて楽しむなんて
そんな事がある訳ない。
もしあったら僕は、全裸に逆立ちで
校庭を1周しても良いくらいだ。
きっとわざわざ朝練を見に来たのには
先輩のアレに関係して……
あーん、バレちゃったかあ。 ヒト君のご想像通り、アタシは「 運動部の朝練 」を見に来たワケじゃない。「 朝練で汗を流し、その汗が光る筋肉質で美味しそうな肉 」を楽しみに来たの。ね、聞くだけで食欲そそるでしょ?
だろうと思いましたよ……。 僕はカニバリズムじゃないので、さすがに食欲はそそりませんけど。
案の定、大当たりだった。