とある村の片隅に
若い夫婦が暮らしていたそうな
ある日
夫はいつも通り山に柴刈りに
妻は川に洗濯をしにいきました
とある村の片隅に
若い夫婦が暮らしていたそうな
ある日
夫はいつも通り山に柴刈りに
妻は川に洗濯をしにいきました
では、拙者は山へ行ってくるでござる
わたくしは洗濯に行ってまいります
よろしく頼むでござる
せいっ! はっ!
夫は自慢の刀でちょうど良い感じの枯れ木を斬って斬って斬りまくっていました。
柴刈りというのは、火を焚くのに使う木材を切り出すことでござるよ
む、拙者は一体誰に説明しているのでござろうか
あお殿は今頃、川で洗濯している最中でござるね
ふう、お洗濯も楽ではありませんね
どんぶらこっこどんぶらこー
あらあら、大きな桃が川を下ってきてます
面白そうですし、持って帰りましょう
これがその桃でござるか?
はい
大きいでござるね
とても大きいです
食べきれるでござろうか
残った分はご近所の方に配りましょう
そうでござるね
では、早速斬ってみるでござる
すぱっとやってくださいまし
うむ
はっ!
お見事です
さて、中身はどうでござろうか
子供くらいなら入りそうな大きさでしたわね
何故、今そのような怖いことを言うでござる?
他意はございませんわ
う、うむ
さあ、中身を見てみましょう
い、いくでござる
はい、ぱっかーん
わ、わあああ
わあ
あああぁ
大きな桃ですわね
……そうでござるね