とある村の片隅に
若い夫婦が暮らしていたそうな

ある日
夫はいつも通り山に柴刈りに
妻は川に洗濯をしにいきました


 

猫夜夕星

では、拙者は山へ行ってくるでござる

猫衣あお

わたくしは洗濯に行ってまいります

猫夜夕星

よろしく頼むでござる

猫夜夕星

せいっ! はっ!

夫は自慢の刀でちょうど良い感じの枯れ木を斬って斬って斬りまくっていました。

猫夜夕星

柴刈りというのは、火を焚くのに使う木材を切り出すことでござるよ

猫夜夕星

む、拙者は一体誰に説明しているのでござろうか

猫夜夕星

あお殿は今頃、川で洗濯している最中でござるね

猫衣あお

ふう、お洗濯も楽ではありませんね

 

どんぶらこっこどんぶらこー

 

猫衣あお

あらあら、大きな桃が川を下ってきてます

猫衣あお

面白そうですし、持って帰りましょう

猫夜夕星

これがその桃でござるか?

猫衣あお

はい

猫夜夕星

大きいでござるね

猫衣あお

とても大きいです

猫夜夕星

食べきれるでござろうか

猫衣あお

残った分はご近所の方に配りましょう

猫夜夕星

そうでござるね

猫夜夕星

では、早速斬ってみるでござる

猫衣あお

すぱっとやってくださいまし

猫夜夕星

うむ

猫夜夕星

はっ!

猫衣あお

お見事です

猫夜夕星

さて、中身はどうでござろうか

猫衣あお

子供くらいなら入りそうな大きさでしたわね

猫夜夕星

何故、今そのような怖いことを言うでござる?

猫衣あお

他意はございませんわ

猫夜夕星

う、うむ

猫衣あお

さあ、中身を見てみましょう

猫夜夕星

い、いくでござる

猫衣あお

はい、ぱっかーん

猫夜夕星

わ、わあああ

猫衣あお

わあ

猫夜夕星

あああぁ

猫衣あお

大きな桃ですわね

猫夜夕星

……そうでござるね

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