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へー。宇宙でも恋愛の進展をABCで言うのあるんだ。
うんっ。A接吻、B殺害、C埋葬、だよ
……Cで落としてくるかと思ったら、Bですでに落ちていた。
わたし、恋愛は初めてだけど……、一生懸命、何でもするよっ。だからどんな殺され方でもいいから言ってね
とりあえず聞いて欲しい願いは、ぼくを殺さないでくれという願いです。というかもうそれが唯一の願いでもいいです。
彼女は恋愛経験がないと言っていたが、宇宙人でそれは珍しくない。何故なら宇宙人で目ぼしい男性はすでに殺害されているから。
地球との交換留学は、もちろん学ぶことや文化交流が目的ではある。でも年頃なのでやっぱりそっち方面を求めるわけで……。
地球人大ピンチだ。
脱地入宇。
地球の古さを脱し、宇宙の仲間入りを果たすべきだという主張。最近盛んに言われるもので、是非を巡り世界中で議論も紛争も起こっている。
ぼくは大きく賛成派だ。現状では脱地入宇以外、地球が閉塞状態を脱する手段はないと言っても過言ではないのだから。
ただし!
脱地入宇を果たした際には、大量の地球人男性の屍が転がっているかもしれない……。
*
二十一世紀初頭。
文明社会の急速な発展は、医療費や老齢年金といった社会保障費の増加を生み、またエネルギーの枯渇や高騰も招いた。日本を含む主要各国は、政治を巡って国民同士の醜い争いにも発展し、消えかけていた民族主義や共産主義、宗教原理主義や環境保護主義といったものの復活までもたらした。
宗教、イデオロギーの対立は終わりなどしない。不安であるほど、難しいほど、人は安易な正義に逃げるのだから。
そんな中、一向に反省をしない人類に見切りをつけ、宇宙に飛び出した人々がいた。人類の弱点を克服できる用意があるとして。
それから十数年。宇宙の塵と化したかと思われた彼らが生存していたことを、地球人は知ることになる。
彼らが本当に人類の弱点を克服したのか、それはわからない。しかしこれだけははっきりしていた。
宇宙人は、地球では実現できなかった技術と社会を持っている。