ナオト

デヤーーッ!


































リリー

トアーッ!


























ナオト

ふぅーあらかた片付いたなー

リリー

んフッフッフーこのリリー様に任せれば
こんなもんちょろいちょろい!










もう、何十匹倒したのかわからないが
俺達の勢いを見て、ゴブリンの群れが去っていく







中級のモンスターなどは、すでに俺達の敵ではなかった








そして、今、俺たちは異世界にいる
元々この世界はゲームだったものだ






アニメやラノベでは良くある設定なんだけれど、ただひとつ違っていたのは、この俺の嫁だ




リリー

さてはこのリリー様の可愛さにみとれてるなー
フッフッフッ~







嫁にはひとつ秘密があった、、、まぁ本人は気にしちゃいないんだろうけど、、、






ナオト

あーもう、バカな事言ってないで
そろそろ次の街に行くぞ

リリー

何よ、ナオトのやつ照れちゃって










俺の嫁、リリーとの出会いは、このMMORPGシャングリラからはじまった



今か数えるに二年前の事だ









シャングリラを始めたばっかりの俺は、このゲームの運営の大きなミスでおこったバグで、その頃の自分のレベルでは持てない様な装備品を贈られ、一気に強くなった気がしていた












まぁ、良くある若気の至りってヤツだ











そういう勘違いをしていると、今の自分が戦っているフィールドには物足りなくなってしまってもっと強いダンジョン、もっと強い敵を探し始めた







ゲーム内の掲示板や、フリーチャットの内容やゲームの攻略Wikiなんかを調べながらどんどん初心者用の草原の奥を敵を倒しながら進んでいった














うん、俺は強くなっている!












そんな勘違いとともに敵を倒しながら進んでいると、突然敵に勝てなくなってきた









切っても切っても敵のHPが減らない、逆に俺の体力はグングン減っていくのに







チュートリアルで貰った回復薬もあと少ししかない、おかしいだろ確か200個あったはず

それが今ではもう5個だ!









シャングリラには、死亡した人物に対して最近のゲームではチョット厳しい様なペナルティがあった








それは、モンスターに倒されると、自らのアカウントで教会施設に行ってゲーム内のゴールドで復活しないと再び冒険に出られないというもの








まぁ、今から考えると言うほど厳しいわけではないのだが、その当時の俺は、弱々しいモンスターを狩ったほんの少しのゴールドと、売ってもなんの足しにもならない様なドロップアイテムしか持ち合わせていなかったんだ








つまりここで死ぬと、1日一回貰えるゲーム内のログインボーナスがたまるまで復活できないという事だった








その教会施設は別名ぼったくり寺院と呼ばれているほど膨大なゴールドを要求するので、古参ユーザーの中ですら本当に悪名が高く、よくネタにされていた













やばい、やばい、やばいやばい

















たかがゲームなのに死ぬ事がこんなに怖いなんて、何だよ、何だよ畜生!









もう回復薬が3っつぐらいしか残ってない






あ、またひとつ減って行った








こんな事なら自動で使う設定にしなきゃよかった、い、いや、そうでなければ既に死んでいたのか?






色々な思いや呪詛が頭の中をよぎる、マウスとキーボードを触る手が汗ばんで震えてる、ゲームなのに血の気が引いていく













それは、ここに来るまでの有頂天な気分からの落差で、自らのテンションが意識しない程下がっていった瞬間だった

























一瞬何が起こったのか分からなかった









見た事もないエフェクトが画面の中に表示された





そして画面が真っ白になり、、、自分と周りには何もいない森の中が広がった


ナオト

え?え?

俺のキャラクターは生きている、、、





HPのゲージはもう減りはしない、、、





助かったのか?





だけど一体、何が起きたんだ?







???

ふぅー間に合ったぁー、危なかったねぇw










突然俺のプライベートチャットに語りかけるヤツがいる、そうか、俺は助けてもらったのか







???

初心者がこんな場所にいるなんてビックリしちゃったー









画面の外から俺のモニターの視界に入ってきたのは、鮮やかなピンクの髪のアバターの女の子だった





レベルと名前が見えた、名はリリー





上級クラスの80、しかも第3次上位職らしかった





うん、攻略Wikiでちらっと見た事がある

回復も魔法も使える、けど、成長が物凄く苦労するジョブだ





ここまで育てるのにどのくらいかかったのか、初心者の俺でもその大変さと苦労は容易に想像ができる













初期ジョブはビショップだったっけ?












気持ちを少し取り戻した俺は、ぼんやりとそんなところを見ていた
















しかし、助けてもらったのはいいけれど、こんな危険な場所からどうやって戻ろう










もう薬もないし、街まで帰れる便利なワープアイテムなんて持ってもいないのに、、、


















そんなある種の絶望感がすぐさま戻ってきて、助けてもらったお礼も言えなかった俺に、またプライベートチャットが来た












もちろんリリーからだった









リリー

ンフッツフー、どう?
おネェさん暇なんだー、サポートするから一緒に回らないー?






俺は、お礼と承諾を告げた、、、














だが、助けてもらったとはいえ、見ず知らずのこの少女についていく不安は?



















うん、無かったんだ、まだこの頃は、、、












続く...





俺の嫁は付いている!-1-

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