ちょっと聞いてよ!!
相変わらず騒がしいやつだな。久しぶりだというのに開口一番己の主張を通さんと声を荒げているあたり、本当におこがましく、かつ、うるさい奴だな。
君はいの一番でイヂワルを言わなくちゃ気が済まないの!?
それに久しぶりって、今朝登校の時にあったばかりじゃないか。
おや、そうだったか?
なまじ記憶力がいいと、どうでもいい事はすぐに忘れてしまうんだ、すまないな。
どうでもよくないバッキャロウ!!
おっと、失言だ。
ちょっとした冗談だろう泣くな泣くな。
もう!僕の話を聞く気はないってことだけはわかったよ!
冗談だと言っているだろう。
聞くぞ聞くぞ。
私の耳は君の話を聞くために付いているといっても過言ではないのだからな。
あとは、君の膝枕で耳掃除をしてもらうくらいしか機能がないくらいだ。
もっと、きっと色々機能はあると思うけど…
耳掃除いつでもしちゃう。
ところで、さっきの話はなんだったんだ?
そうだ聞いて!!
部活の先輩があまりにも酷いんだよ!?
ひたすら僕の悪いところばっかり言ってきてさ!
やれここが悪いからダメなんだとか、
やれあそこがこうなのがお前の欠点だとか、
こういう時はこういう風にできなきゃクズだとかさ!!
ほほう。私の彼氏に言いたい放題とは良い度胸だな、その先輩は。
それで君は言い返してやったのか?
なんにも言えなかった。
先輩が言ってる事自体は何も間違ってるわけじゃないし、確かに言われた所は自分のダメなところだと思うしさ。
だから仕方ないとは思ってるけれど…
でもさ!
そうかそうか。
自分なりに納得はしているのだな。
ならいいじゃないかそれで。
良くないよ!
あんなに悪いところばっかり言われ続けたら心がボッキボキに折れちゃうよ!!
大丈夫大丈夫。
だって、言われてない所は全部良い所だってことじゃないか。
言われた所より、言われてない所の方がたくさんあるだろう?
だから大丈夫だって。
…
あぁー
第一、いつも私にイヂワルされている君がそう簡単にボッキボキになんかならないから心配するな。
わかってるなら自重してよ!