ドアの向こうには、夕日に照らされた

いつも通りの教室があるだけだった。

ただ一点、一人の少女を除いては

天里 裕太

氷室...さん?

氷室 雪

天里君...?どうしてここに?

天里 裕太

あれ、俺の名前...

天里 裕太

忘れた宿題を取りに来たんだよ

天里 裕太

え...っと、その手に持ってるのは...

氷室 雪

あぁ、コレ?銃よ、ピストル

そう、彼女は淡々と説明する

天里 裕太

それは学生が持つものじゃないような...

氷室 雪

それよりも、気づいたの?

天里 裕太

気づいたって...何が?

氷室 雪

あぁ、いやいいのよ

氷室 雪

ただ銃声がしたら疑うのが普通でしょ?

天里 裕太

あぁ、うん。でも特に...

教室に変わったところは特に見当たらない

いや、あった...

ロッカーの下から

見覚えのある赤い液体が流れている

天里 裕太

えーっと、アレは

氷室 雪

えぇ、死んでるわよ、見てみる?

天里 裕太

遠慮します!!!

天里 裕太

じゃあ、僕はこれで...

とにかくこの場から逃げ出したい一心だった

が、しかし.....

氷室 雪

それはダメよ、見られてしまったもの

天里 裕太

いや、気づかされたというか...

氷室 雪

本当はね、銃声を聞きつけた
教師がここに来る前に逃げる筈だったの

氷室 雪

でも、あなたが来てしまった

氷室 雪

教師が来るまで時間がないわ

その先は聞きたくなかった...

だって、自分の好きな子から

氷室 雪

口封じとして死んでもらうわ

天里 裕太

僕を見逃すという選択肢は...

氷室 雪

ないわ、でも.....

天里 裕太

でも.....?

氷室 雪

何かメリットがあるなら話は別よ

メリット...何か...ないのか?

いや、あった、一つだけ、大きなメリットが

第二話 「殺し屋」としての顔2

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