ある日の夕方、
ある日の夕方、
放課後の教室で、
僕は見てしまったんだ。
「殺し屋」としての、あの娘の顔を。
僕の名前は天里 裕太(あまり ゆうた)
僕には、一年間片思いをしている少女がいる。
その娘は...
じゃあ、氷室、この問題の答え分かるか?
ハイ、この答えは、*****です。
この少女、氷室 雪(ひむろ ゆき)である。
正解!さすがは氷室だな...
教室で歓声が上がる。
やっぱスゴイよねぇ、氷室さん
いいよなぁ、可愛いし、頭もいいし...
そう思うだろ?裕太
...っ、う、うん!そうだよね隼人
コイツは友人の神谷 隼人(かみや はやと)
外見はなかなかだが、何故かモテない残念なやつ。
アレ、意外と興味ない?
いや、そんなことないよ!
......
あれ、一瞬氷室さんがコッチを見てたような
まぁ、気のせいだよね...
鳴り響くチャイムが授業の終了を告げる。
6限目が終わった、この後はホームルームだ。
はい、では気をつけて帰るように
帰りのホームルームが終わった。
つまり下校の時間である。
隼人!帰ろう!
ホイホーイ
軽い返事とともに隼人がやってきた。
そうそう、それでさぁ...
あ、ちょっと待って!
ん?どした?
宿題忘れたからとってくるよ
ごめん、先帰っててくれる?
ん、オッケー、んじゃまた明日な~
放課後の学校は
独特の雰囲気を放っていた。
どこか神秘的でいて、
又、不気味さを醸し出していた。
ハァ、なんだか怖いなぁ...
そんなことを考えているうちに、
自分の教室、3-B教室に着いた。
ドアに手をかけようとした
ちょうどその時
とてつもない轟音が鳴り響いた
紛れもなく「銃声」である。
とはいえ、裕太は実際に銃声を聞いたことはない。
書物やドラマなどで見聞きした程度だ。
そのため、当初は自分の耳を疑ったが、
その独特の余韻から銃声だと確信が持てた。
とはいえ、ここは日本である。
誰だってこんな場面では自分の耳を疑うだろう。
そもそも、銃声だった場合、
銃の持ち主はこの中にいるのだ。
当然ドアを開けるべきではない。
が、もしも、本当にもしも物音だった場合、
宿題が提出できず怒られるのは自分である。
「教室の中に銃を持った人間がいたので
宿題ができませんでした。」
なんていいわけが通用する筈がない。
だからこそ、ドアに手をかけた。
確かめるのだ、自分の目で
そして僕は、ついにそのドアを開けた。