第四話 おしまい
…………
一晩中戦っていたのはいいが……
たぬき、大丈夫か?
うさぎ、泣くな
どうして、私が、こんな目に……
負けたら何か戻ってるし……
禁術で、負けるなんて……
レッドバロンが……壊された……
そんな……っ
うさぎの……最後の希望が……
たぬきに……壊された……
そんなことって……
……
おいたぬき
なんですか?
私、何も悪くありませんよ
ばかもんっ!!
いたぁっ!?
お前さん……うさぎよりも年上であろう?
年上のお前が、なぜ年下をイジメている
いじめられているのは私ですッ!
なんで私が怒られるんですかっ!!
いいや違うな
お前がそもそも、あの老夫婦の畑に近づかなければ、彼女達は勘違いを起こさなかった
事の発端は、お前の迂闊さにある
私がうさぎたちに、夫婦の畑を荒らすたぬきを罰せよと命じたのだ
大体、この山のたぬきには私から事前に知らせておいただろう
なのになぜ近づいた?
そんな話今初めて聞きましたよ!?
賢者様、早く言ってくださいよそれ!
大方、お前さんが聞いていなかっただけだだろうて
何なら後で長にでも聞いておくがいい
ひどい……
結局私のせいですか……
まぁ、あまり責めるのも酷だろう
お前さんは可愛いから許す
後で私の自宅に来い
ゆっくり、休んでいくといい
今後は気をつけておくれ
うさぎたちにも私から言っておこう
すみません
凄く身の危険を感じるんですけど
性的な意味で
俺ふくろう!
狼じゃねえから!
いや、まぁ……
今回のは本当に運が悪かったと思うよ?
あのジジイとババアの畑にお前さんが近づいて捕まってからなし崩し的にひどい目にあったと思うけど……
繰り返すけど、最初はお前のミスだぞ?
それは……確かに、そうですけど……
俺だって、長に言っといたのになぁ……
あっ
そういえば長なんですけど……
この間毒草食べて今倒れてるんですよ
そのせいで聞きそびれたのかも……
私、先日まで甲賀の里のたぬきを倒しに行ってましたから
もしかしてお前のその幻術忍者の業か!
ああ、違います
『信楽焼』という通り名を持つ徳利を持っているたぬきをやっつけに行っていたんです
忍者は関係ありません
恐ろしく強いメタボたぬきでした
酒と火を使う術に長けていたので……
それ、焼き物じゃ……?
居酒屋とかによくいる、あのたぬきだと思うけど……
おのれたぬき!
よくも我が同胞に涙を流させたなっ!?
許さぬ、許さぬぞたぬきっ!
万死に値するッ!!
うわ、吃驚した!?
あっ……
うさぎ、参上ッ!!
っ!
曲者ですかっ!!
またこの流れかおいっ!!
貴様はこの船に乗っけて川底に沈めてくれるッ!!
かもーーーーーーんっ!!
ブルーエスクワイアァーーーーーー!!
また降ってきた!
船じゃねーよッ!!
見た目も何もかも!
明らかこれ別の技術使ってんだろ!
こんな立派なの沈めんな勿体ない!
貴様をここに縛り付けて沈めてくれるわッ!
神妙に覚悟しろたぬきィッ!!
うええええ!?
船は船でも、戦艦ですかぁっ!?
かくなる上は……ッ!!
祝詞以下略!
たぬき幻術!
超禁忌ノ型!
天津罪ィッ!!
ええええええっ!?
また化け物になっちゃったよ!!
笑止ッ!
我がブルーエスクワイアにその程度のチカラで勝てるなどとォッ!
やるのだ、ブルーエスクワイアッ!!
奴を川底に沈めてしまえ!
お前ごとッ!!
最後に最悪な一言入れてるし!
ま、また始まったよ……
川底に沈めるのはもう諦めていいけど……
ここ川の上流だって忘れてないか彼奴ら
いけーブルーエスクワイアー!
たぬきぶっ殺せー!
……………………
もう俺、しらん
どうにでもなれや、前回同様!
第四話 おしまい