野木ののか

大丈夫かの?

鈴石茜

あ、はい……

鈴石茜

って、何故都合よくののか先輩たちが現れたのですか?

菊田実

あいつからラインがきたんだよ

鈴石茜

あいつって……

佐島亮

恥ずかしいのでネタ晴らしするのはやめてもらえませんか?

鈴石茜

佐島くんが隊長に連絡したの!?

佐島亮

そうです

佐島亮

連絡先は鈴石先輩がはぐれた時に聞いていたので

鈴石茜

で、でもどのタイミングでラインを……?

佐島亮

鈴石先輩が相手の男に啖呵を切った時ですね

鈴石茜

そんな早く……

佐島亮

常識的に言って、高校生にどうにかできる問題じゃないでしょう? あれは

鈴石茜

まあ、そうかも

佐島亮

だったら、少しでも大人な方を呼ぶべきか、と

野木ののか

大人……といってもまだ19歳じゃ。茜たちと一つしか変わらないがの

菊田実

でもまあ、俺が車の免許とっててよかったな

野木ののか

それに、もし身バレしても、私たちならもみ消すことが可能だからのう

伊納アスナ

え……?

佐島亮

この人たちって一体……

野木ののか

私たちは生徒会のOBとOG。それだけじゃ

佐島亮

はぁ

鈴石茜

……お二人は、すごいです

野木ののか

なにがじゃ?

鈴石茜

後輩がピンチのときにいつも助けてくれるのはののか先輩と隊長でした

鈴石茜

今回だって私の迷いを打ち消すように素早く攫ってくださって……

鈴石茜

すごく、頼れる存在です

菊田実

ほお

鈴石茜

な、何ですか?

菊田実

つまりお前はあれか? 
「自分は先輩たちみたいに頼れる存在になれない……」とか思って悩んでいるのか?

鈴石茜

……はい

鈴石茜

私、先輩なのに、あの場でなんの判断もできなくて……

菊田実

まあ、俺様よりもカリスマ性のある人間なんてそうそういないからな。仕方がないさ

野木ののか

それはフォローになっているのかのう?

菊田実

な……俺は、これでも一応……

野木ののか

うぬ、隊長が励ますつもりであるのは分かっておる。どれほどの付き合いだと思っているのじゃ?

野木ののか

ただ、この場合のフォローは隊長の実力自慢じゃないぞよ

菊田実

え……

野木ののか

そこの者、えーっと、名はなんだったかの?

佐島亮

あ……佐島です。佐島亮って言います

野木ののか

そうか。では、亮は茜の行動についてどう思ったかのう?

鈴石茜

そ、それを直接聞いちゃうんですか……?

佐島亮

んー

佐島亮

無鉄砲だとは思いましたね。無鉄砲で、無計画です

鈴石茜

…………

佐島亮

でも、そうやって後先考えず動けるところが鈴石先輩のすごいところだと思います

鈴石茜

でも、最終的には何もできていなくて……

佐島亮

それは、鈴石先輩が生真面目で優しすぎるからですね……

佐島亮

僕だったら、普通に見捨てて逃げますからねえ……

佐島亮

まあそれは、鈴石先輩の優しさからきた結果ってことでいいんじゃないですかね

鈴石茜

そ、そう……?

佐島亮

それに、僕たちだってたまーになら先輩のことをフォローしますので。一人で背負おうとか思わないでくださいよ

鈴石茜

…………うん

なんだかとっても気恥ずかしい……

鈴石茜

でも、どこかですごく安心してしまっている……

野木ののか

と、まあそんな評価らしいぞ

伊納アスナ

アスナも、生徒会長殿のことを信頼していますし、支える気も満々です

東海竜弥

まあ

東海竜弥

俺も、同じく

鈴石茜

み、みんな……

野木ののか

うぬ、茜が皆から慕われており何よりじゃ

菊田実

全てを丸くまとめるののかの力は相変わらずすげえな……

野木ののか

さて、では皆の家を順に回るとするかの

菊田実

う、運転しているのは俺だからな……?

野木ののか

ほ、ほ、ほ……細かいことは気にするでない

伊納アスナ

はーい! じゃあアスナの家が一番近いっぽいので、アスナの家からお願いします!

野木ののか

了解じゃ

菊田実

だ、だから俺の車ーっ

野木ののか

さて、残りは茜だけじゃの

鈴石茜

はい

野木ののか

うぬ……茜はいつまでも思い詰めるところが悪い癖じゃの

鈴石茜

そう……ですね

野木ののか

そんな時は隊長を見習うが良いぞよ。ネガティブの欠片もないポジティブ思考じゃ

菊田実

お前、若干俺を馬鹿にしているだろう?

野木ののか

ほ、ほ、ほ……そんなことはないぞよ

菊田実

…………っ

鈴石茜

ふふ……

鈴石茜

お二人は、相変わらずですね

野木ののか

そうじゃな。あの頃と変わらぬのお

菊田実

ああ

野木ののか

そういえば……亮と茜はどういった関係なのかのう?

鈴石茜

りょ……う……

鈴石茜

さ、佐島くんのことですか!?

野木ののか

そうじゃ

鈴石茜

たた、単なる先輩後輩ですよ

野木ののか

その割には顔が赤いがのう

鈴石茜

ぐ、偶然です

鈴石茜

偶然ってなんだー!?

菊田実

なんだ~? 面白い話かあ?

鈴石茜

ち、違います

鈴石茜

どうしよう、この流れ!

野木ののか

まあ、否定するのであれば深読みは止めておこうかのう

鈴石茜

お願いします……

菊田実

ほうほう、青春だなあ

鈴石茜

いいですか隊長。これ以上喋ると隊長の秘密もばらしますよ!?

菊田実

や、やめろ。それだけはやめろ

野木ののか

何じゃ? とっても気になるぞよ?

菊田実

のろまには関係ないことだ!

野木ののか

全く……私はのろまじゃなくて、ののかじゃよ

鈴石茜

相変わらずですね

鈴石茜

あ、私の家ここです

菊田実

了解

野木ののか

鈴石茜

はい

野木ののか

茜はなんでも一人で抱え込む癖がある。そういう時は周囲を頼ればよい

野木ののか

一人で辛い思いをするのは見ているこちら側も苦しいのじゃ

鈴石茜

はい……

野木ののか

それは、後輩たちも同じじゃよ

野木ののか

それに、後輩たちは茜のことを信頼しているようじゃしのう

鈴石茜

そう……ですか

野木ののか

特に、亮は……

鈴石茜

佐島くんは……?

野木ののか

いや、なんでもないぞよ

鈴石茜

えー

菊田実

さ、親に怒られる前に帰った帰った

鈴石茜

はーい

鈴石茜

ありがとうございました

野木ののか

うぬ、こちらも楽しかったぞよ。
ありがとう

菊田実

ま、まあそれなりにな。ありがとう

なんだか今夜は、みんなの言葉に救われたなあ……

先輩として、生徒会長として……そうやって責任を背負おうとする方が、周囲には迷惑になるかもしれない。

周りを頼ることも大切……か

鈴石茜

少しずつ、そうできるといいなあ

だって、私も、みんなのことを信頼しているから

夏祭りを終え、ちょっぴり成長した鈴石さん

しかしこの後、怒涛の二学期が始まるのであった!!

続く!!

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