グルルルル…フシャー!
プロデューサーさん、あの草むら何か動きませんでしたか?
ああっ!
野生の魔物が飛び出してきました!
グルルルル…フシャー!
この魔物、見た目は弱そうですけど… レベル30以上!?
だからレベルを上げてから進みましょうって言ったんです~っ!
ん? イワトの森に来たばかりの新米か? ちっ、しょうがねえ、助けてやるか
シュッ ズバッ!
グォォォォン!
す、すごい!
あの魔物をたった一撃で!?
って、もしかしてこの剣士は陸くんでは!?
このユーザー名は…?
プロデューサーと里見さん?
プロデューサーが勇者だって…?
ぷっ…あははっ
いや、わりぃ
いつも厳しいプロデューサーが、真面目にゲームやってると思ったらつい…
もう! それが全然真面目じゃないんです。私のアドバイスを聞かずにどんどん進めて
ミツル姫も連れ去られたままですし…
うわ! まじかよ
あいつ大丈夫かな…
本当は俺と一緒に剣士の役をやる予定だったのに
スタッフに衣装が似合うって乗せられて、姫の役なんてやるから…
プロデューサーの装備は…? 木のマイクにボロのステージ衣装!?
初期装備じゃねえか!
そんな装備で大丈夫かよ!
うう…大丈夫じゃないです…
問題だらけです
俺はこの国で守護隊として雇われてるんだが
この森を抜けるまで道案内してやるよ
しっかりついて来いよ
はぐれたら置いてくからな
陸くんに助けてもらったおかげで
イワトの街に着きましたね…
ゲームの世界では、強いプレイヤーに助けてもらうのは御法度なんですよ
ちゃんと装備を整えて、レベルも上げないと…
私なんて街にある最強装備をそろえるまで進まないタイプなんですから
おお、勇者プロデューサー!
いいところに!
じつは海に魔物が現れて、漁に出た船が帰って来ないんです
漁師の家族が心配しています。どうか助けてもらえませんか?
昔は俺も戦えたものだが、膝に矢を受けてしまってな…
あはは、えっと… うちの勇者はまだレベルが低くて…
そ…そんなこと言わずに!
どうかお願いします!
弱りましたね
これは断れないパターンですよ
まったく、プロデューサーは俺がいないとダメだな
陸くん!?
さっきまでと姿が違いますよ!?
ああ、この海賊役は別のアイドルがやる予定だったんだが…
プロデューサーが海に行くなら俺も一緒に行こうと思って、役を代わってもらったんだ
正直、森の案内役ってのも飽きたしな
いいんでしょうか…
陸くんらしいですけど…
野郎ども! すぐに船を出すぜ!
出港の準備はできてるな!
おおーーーっ!
海には伝説の吸血鬼、カーミラ一族が現れるらしい
でも俺に任せておけば心配はいらないぜ
いつでもプロデューサーのこと、守ってやるからさ