「異世界」





この言葉に大半の人は惹かれているんじゃないだろうか?



異世界といえば剣や魔法があって、モンスターがいて、勇者になって仲間と共に魔王を倒す。



それがみんなが想像している異世界への一般的なイメージだろう。






もしもそんな異世界の世界に行けたのなら?




自分も剣や魔法を使って世界を救う旅に出かけられたら、こんなにワクワクすることはない。




そう思っている人は大勢いるから、
世の中の娯楽作品にはよく異世界を舞台にしたファンタジーもののラノベやゲームなどに溢れている。





多くの人は異世界というファンタジーの世界に夢を見る。





ならば、みんなのその夢を叶えよう。





我々ネオアークドッグ社が皆さん異世界旅行にお連れします。






さぁ、異世界への旅の始まりです!




























アナウンス

6番ゲートより、異世界航空2018便へ御搭乗のお客様。6番ゲートまでお集まりください。


 俺らが乗る便の館内アナウンスが流れている。
ここは関西異世界空港第2ビルターミナルの搭乗口だ。

剣斗の父

剣斗! こっち来てみろ凄いぞ!

剣崎剣斗

・・・・・・・・・・・・・・

剣斗の父

剣斗! ゲームなら後でいくらでもできるだろう!

剣崎剣斗

チッ

 俺はアプリゲームを中断して親父とお袋のとこまでだるそうに歩く。

剣斗の父

ほら外見てみろ。でかい異航機だろ!

剣崎剣斗

今どき異航機でハシャぐ歳じゃねぇよ。

 親父の奴は異航機を写メで撮りまくってる。いい歳してハシャぐなよ。ガキじゃあるまいし。

剣斗の父

母さん母さん! 異航機をバックに一緒に写真撮ろう。

剣斗の母

いいわね。剣斗もこっち来なさい。

 俺はお袋の言うことを無視して再びアプリを開く。

剣斗の母

あんた、まだ騙したこと怒ってるの?

剣崎剣斗

うっせ、放っといてくれ。

剣斗の父

はっはっは、剣斗もお年頃なんだよ

剣崎剣斗

うざ

アナウンス

搭乗受付を開始します。御搭乗の方は6番ゲート受付カウンターまでお越しください。

剣斗の父

おっ、母さん乗れるみたいだ。みんなチケットは持ったか!

 






ことの発端は婆ちゃんが危篤だと言われて家から連れ出されたのがはじまりだ。


 車に乗って婆ちゃんの入院している病院に向かってたはずだが、着いた先はこの空港。
騙されたと気づいたときには時すでに遅く。親父達は俺を家族旅行に連れ出すために嘘ついて連れてこられたわけだ。中三にもなって親と旅行なんか行けるかよ恥ずかしい。






剣崎剣斗

俺帰る

剣斗の父

何を言ってるんだここまで着て!?

剣崎剣斗

俺受験生だぞ。旅行なんか行ってる暇はない。

剣崎剣斗

本当は勉強なんかする気は更々ないが、中学最後の貴重な夏休み。家に籠って新作のFPSやりたいんだつーの。親父達の都合で俺の大事な夏休みを消化されてたまるかってんだ。

剣斗の母

あんた家にいても勉強なんかしないじゃない。どうせゲームしかしないんでしょ。

剣崎剣斗

お袋の奴に見透かされていた。

剣斗の父

家でゲームするより、こっちのほうがもっと刺激的だぞ。剣斗もきっと楽しめるから。






 どうやらこの両親には全国の受験生の最強の言い訳、『受験勉強のため』というスキルは通用しないらしい。
 それにこの人達は無駄にハイテンションだ。なかば諦めて苛々しながら搭乗口に向かう。
受付のお姉さんにチケットを見せると、お姉さんは営業スマイルを俺に向けてきた。



異世界航空をご利用頂きありがとうございます。チケットを拝見しました。三名様の剣崎様ですね。

剣斗の父

はい! そーでーす! 勇者御一行で~す♪

あ、あははは・・・・・・・

剣崎剣斗

親父のテンションにお姉さん困ってんだろ。やめろよ恥ずかしい。

はい確認とれました。よい異世界の旅を

 

お姉さんに見送られ異航機の中に入る。
異航機はぶっちゃけたいしたものじゃない。飛行機と同じ造りだ。チケットに記載されている座席番号を見て、その番号と同じシートに座ると添乗員のアナウンスが入る。









アナウンス

アテンションプリーズ。本日は異世界航空をご利用頂き誠にありがとうございます。本便の向かうジェネシックワールドまでの到着予定時刻は一時間となります。それまで異空間の旅をお楽しみ下さい。

剣斗の父

いやぁーいよいよだね母さん!

剣斗の母

ほんと楽しみね~

 隣で騒いでる両親を尻目に窓から外を覗く。

剣崎剣斗

はぁ、行きたくねぇ……帰りてぇ

アナウンス

間もなく本便異航空2018便は離陸します。お客様はシートベルトを着用して座席から離れないようにください。



 異航機の振動が伝わる。俺を乗せた異航機はゆっくりと動きだし滑走路に向かって進みだした。
この時点で俺はもう完全に諦めムードだ。 

剣崎剣斗

帰ってFPSやりてぇ・・・・・・

嫌がる俺を乗せた異航機2018便は、大空を飛び立った。

















いざ異世界の旅へ

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