白い三日月……

それは夜空が流す、ヒトシズクの涙。

雷鳴の轟く街。

この世の果てに、

私は生まれる……

ぐっ!! これは……俺の手に負えるかどうか……

ちょっと……危なっかしいですねぇ

 夜空に漂う、二メートルほどの奇妙な生物。

 それらは少女を目掛けて、攻撃を仕掛けてきた。

下がっていてください!!

 銀髪の男が少女を守り、手にしているブレードで攻撃を受け止めた。

はいっ

うおりゃああ!!

 銀髪の男が斬りかかる。

キシャアアア

 謎の生物は奇声を上げて、地上へと落下した。

大丈夫ですか、ローザ様

ありがとうございますっ

 そこへ突如、夜空に黒い渦が発生した。

 身構える銀髪の男。

来たか……

 その渦より現れし女。
 そいつは地上を目掛けて、光の球を放ってきた。

ぐああああ!!!

青夜さん!!

……RAVEの準備を!

任せてください!

エネルギー、充填開始!

俺は他の怪物を……

 銀髪の男も、少女を守るように前へ出る。

行くぞっ!!

キシャアアア

充填50パーセント!

次だっ!!

キシャアアア

充填90パーセント!発射準備!!!

対象、上空の魔女! 発射します!!!

 少女はエネルギー砲を、上空の女に向かって放った。

当たったよ!!

っ……!!

 砲弾を食らった上空の女は手をかざし、再び黒い渦を作り出す。

待ちやがれ!!

ひとまず、追い返すことはできたようですねぇ……

一体、何が起きてるというんだ……

銀河系第三惑星
『地球』

科学の発達するこの星では、
宇宙船の開発が進んでいた。

気軽に宇宙旅行が出来る時代、
人類はそんな未来に、
期待で胸を膨らませていた。

しかし完成を目前にして、
悪夢が起こったのである。

ある三日月の夜。
巨大な隕石が地球へ落下した。

その隕石の内部より
突如現れた謎の生物。
人々を襲うその怪物たちは、
すぐさま捕獲され
研究にまわされた。

それらの身体構造は
科学では説明がつかず、
研究者たちが至った結論は
『地球外生命体の襲来』


すぐに軍隊が派遣され、
怪物の多くは駆除された。

しかし、その次の三日月夜。
一人の女が夜空に出現。

女は残った怪物たちを操り、
一夜にして一つの街を
崩壊へと追いやった。


我々と同じ人間なのか。
女の形をした怪物なのか。


銃もミサイルも効かない。
科学をもってしても、
倒すことのできない怪物の長。

謎の黒幕に人々は恐れ、
皆は『魔女』と呼んだ。


そして今夜、
三度目の三日月夜。
若者二人がついに
魔女撃退に成功したのだ。



しかしそれは、
序章にしかすぎなかった。




人類の命運を賭けた

抵抗の物語が


いま、はじまる……

prologue...『襲来』

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