あけみ

じゃあ、そろそろ帰るね

隼人

ん、気を付けてな

冬休み最終日。

窓からはオレンジ色の西日。

お互いの両親が遠出している今日、存分に幼なじみとのイチャイチャを満喫しただけあって、身体が妙に気怠い。

ましてや、明日から学校だと思うと、なおさらそう感じる。

服装を整えたあけみが非難を込めて言う。

あけみ

家まで送ってくれないの?

隼人

つーか、隣じゃんか

あけみ

隼人、最近冷たい

隼人

んなこたねーよ

あけみ

じゃ、ちゅーして☆

隼人

しゃーねぇな

あけみ

えっへへ♪

隼人

親が帰って来る前に早く帰れよ

あけみ

はーい

お互いの両親には付き合っていることは内緒にしている。

公にしてしまうと、家に行くにも制約が出来るからだ。

もちろん、学校でも俺たちは「仲の良い幼なじみ」で通している。

あけみ

ねえ、隼人!

隼人

ん? どうした?

あけみ

あのね、たぶんだけど……









「赤ちゃん……出来たみたい☆」









隼人

え?

あけみ

あ・か・ちゃ・ん!

隼人

え……?

あけみ

男の子かな? 女の子かな?

隼人

えーー!!!!!!

高校2年生の冬休みは、あけみの「妊娠報告」をもって幕を閉じるのだった――。





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