~3日目~
~3日目~
あんた、約束忘れてないわよね!
忘れてね~よ。
1週間後、魔王倒しに行くんだろ。
そんなんで、勝てるわけ?
勝てるわけねぇ~よ
期間延ばしてくれるのか?
ムリ!
ぜった~~~~~~い、ムリ!
お前は俺を殺したいのか!
1週間も待ってあげてるじゃん。
それで死んだら、アンタが悪い!
相変わらず、鬼だな!
うっさい!
とっとと鍛えなさい!
そろそろ、バイトの時間だから行くわ!
仲間と別れた勇太は、バイト先に向かう。
そろそろ、調理もしてみようか?
やります
では、こいつらを煮込んでくれる。
これ、煮込んで良いんですか?
野良モンスターじゃないですか。
それ、良い出汁が出るんだよ!
そ・そんな使い道があったんですね!
てっきり、ボコられる為だけに生まれた
ストレス発散用の生き物かと思ってました!
それは、料理を知らないからだよ。
なるほど~
勇太は一定の速度で、鍋の中身を回し続けた。
回し続ける事6時間、秘伝のスープが完成した。
勇太は忍耐と腕力が少し向上した!
初めてにしては、上出来だ!
皿に盛りつけるぞ!
ウィ~!
勇太が盛りつけたスープがテーブルに運ばれた。
その時!
テレビからの速報が流れた!
本日未明、魔王が殺されました!
倒したのは勇者一行との事です!
明日より、平和な世の中に戻ります。
辛い生活を送られてきた皆さま、
おめでとうございます。
速報を終わります。
魔王様が死んだって?
どういうことだ?
ラッキ~!
勇太、お前どうやって倒しに行った?
俺じゃないっす!
俺死にたくないから、まだ行ってないです!
なら誰が殺したんだ!
勇者はお前だろう?
先輩、知らないですか?
勇者って、
自ら名乗ったら勇者なんですよ!
僕の場合は、
周りに勇者だって決めつけられて
渋々やってましたけどね
それじゃ~
勇者は何人も居るのか?
いっぱい居ますよ!
この世界で勇者1人だったら、
死んだらおしまいじゃないですか~
誰かが目的を達成すればいいんで、
達成した人がこの世界の勇者って
崇められるんですよ。
達成できなかった人は、
また別の世界に行って勇者業をするんですよ。
俺としたことが、
魔王様の為に、このあほ面を足止めしていたのに意味が無かったなんて・・・
でも良かったっすね~
明日から、平和になるそうですよ!
良くないぞ、勇太!
俺は魔王様に使えていたんだからな!
死なれてしまっては、困るんだよ。
またまた~
まぁ~いい。
この店は、閉店だ!
じゃ~な!
先輩が背中を向けた瞬間・・・。
先輩、忘れ物っす!
何をする?
魔王様に仕えてたって言いましたよね~
って事はですよ。
先輩を殺したら、
多少なりとも金が入りますよね。
先輩、俺の為に死んで下さいよ。
恩を仇で返すのか?
恩は無いので、金を下さい!
そして、死ね!
勇太は、とどめの一撃を放った!
先輩は息絶えた!
勇太はその首を携えて、換金所に向かった!
遊んで暮らせる金を手にした勇太は仲間に
向かってこう叫んだ!
『勇者辞めます!』
・・・
ばっかじゃないの?
勇太のお嫁さんになります!
え!?
みほの告白は無視されたが、
勇太は勇者を辞めて、
かつての仲間達と店を始めた!
この店がのちに、冒険斡旋所となる事は
まだ誰も知らない!