…薄暗い階段…。
その上に一つだけ、扉があった。
…ここだよ。
…ここ?
…薄暗い階段…。
その上に一つだけ、扉があった。
赤貴は扉を開けた。
うお…。
そこは、まるで夢のような場所だった。
…ただの温室に見えるが、真ん中には
…棺桶のようなものがあった。
…まるで、お姫様が眠るような場所だな。
…君もそう思うか?
ここは神秘的な場所なんだ。
…選ばれし姫が眠る場所…。
…選ばれし姫が眠る場所。
どういう意味なんだろう…。
…何か物音が聞こえた。
赤貴は気づいていないようだ…。
…。
…俺が確かめに行くか。
俺は音のする方へと歩いた。
…見てみると
…っ!?
…棺桶のようなところから、手が出ていた。
誰かが入っている…?
…顔には白い布が被さっておりー…。
…服は…シロエのものだった。
シロエっ!!
俺は白い布を取った。
…。
俺は感情に任せて、シロエを揺さぶった。
シロ…エ…。
…シロエの体は冷たくなっており、目覚めない。
…ごめん、ごめんな…。
…っ!!
まぶし…。
…何が起こったんだ?
周りが…。
…私を見つけてくれてありがどう。
…シロエ…!?
…シロエが生きている?
…私はもう…この世にはいないの。
…信じたくない…けれど、受け入れなくてはならないんだ。
…一体誰に…。
…真実は…告げられないの。
…見つけてくれたのが…あなたで良かった。
ありがとう…さようなら…。
…待ってくれ!
俺はまだ君を守れて…。
ー………貴をよろしくね。
…え?
…シロエは消えてしまった。
…最後に見たシロエは、まるで…天使のようだった。
…シロエ。
俺の手にはシロエの手の温もりが残っている…。
白薔薇の花びらが、舞い上がるー…。
ー続く