”チュンチュン チュンチュン チチチチ…”

 カーテンの隙間から、朝の光が差し込む。

 俺は、津雲雅臣(つぐも まさおみ)。今年3月に専門学校を卒業した。

 しかしながら、就職活動に失敗し、今は引きこもり気味のニートをやっている。

津雲 雅臣

…俺は…そうか、寝落ちしたんだっけ…

 うつ伏せの状態で寝落ちしていた俺は、顔を上げると右手でマウスを少し動かした。

”キュウィーーン…”

 スリープ状態だったパソコンが立ち上がり、パスワードを要求してくる。

”カタカタカタカタ…”

 パスワードが入力されると、俺の好きな2次元キャラの壁紙が姿を現す。

 そして、ブラウザを見ると…

津雲 雅臣

やっぱり、な…

 ブラウザの画面には『ログアウト』の文字が映し出されていた。

津雲 雅臣

…そう言えば、今日これからメンテだったっけ…

雅臣!起きてるなら、ちょっと来てちょうだい!!

 母さんが俺を呼ぶなんて、珍しいこともあるものだ。

 俺はログインの画面になったパソコンを尻目に、自分の部屋を後にした。

第1話 に続く…

Prologue(担当:剣世炸)

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