つづく
あの・・・なんなんすか、この方たちは。
ここはね、『ヘブンズルーム』なの。
この私「リゼット」が管理人を務めているの。
そ、そうなんすか…
でね、ここにいる人達は私含めて全員『思考精霊』っていうの。
し、しこーせーれー?
陸翔君は『タルパ』って知ってる?
まぁ聞いた事はありますよ?
脳内嫁を創造で具現化するチベットの秘奥義でしたっけ?
要するにイマジナリ―フレンドの亜種みたいな奴ですよね。
そうそう!
でも、私たちはそれと違うの。
私が説明すると、難しくなるから…
ロゼ、説明よろしく!
はぁ、なんで私が…
初めまして、私がロゼです。
は、はぁ…
(つ…角、生えてる…本物?)
具体的に言えば、私たちは『人々が無自覚に作りだした思考から生み出された忘れ去られた存在』という事。
わかった?
・・・
すまん、全然わからん!
ごめん、少々分かりずらかったかしら…
うん・・・もうちょっとわかりやすく出来ないかな?
魂みたいに漂った潜在思考が人の形を取った物。
これでいい…かな?
74%ぐらいわかった…気がする
なんか微妙ね…
そうそう、あなたが出会ったとかいう紅い竜。
アイツは思考の歪みから生まれた存在なの。
(まぁ俺達は『イリーガル』って呼んでるがな)
そ、そうなんすね。
紹介が遅れたわね。
私は白羽 小明(シラハ アカリ)、人間よ。
(俺はグウェン、思考精霊だ。)
(ちょっと訳アリで彼女の頭の上にいる。)
(まぁ、よろしく頼むぜ。)
人間…っていう事は君も精霊が見えるのかい?
はい、かくいう私も『視願者(シガンシャ)』ですから。
視願…者…?
ハイ、視願者です。
そして貴方も私と同じ・・・
視願者なので~す!
おわっ!
(おい!せっかくの娘のセリフ取ってんじゃねぇぞ!)
あらら、お邪魔したのならすみません。
(まぁわかればいいんだよ分かれば。)
ところで、貴方の名前を聞いておりませんでしたね。
あ、そういえばそうですね。
少年、名は何という。
僕は、露里 陸翔です。
陸翔・・・さん
その名前、悪くないな。
私はノワール、黒の精霊だ。
私はリア、白の精霊です。
以後、お見知りおきを…
な、なんか皆の名前全員覚えられそうにない…
そうしょんぼりするな、誰だって最初はそうだ。
まずはゆっくり、覚えていきましょう。
は…はい…
(なんか、先生みたい…)
皆さん、亮太様からメッセージが来ております。
あ、再生しちゃって~
了解しました。
亮太
『おぅ、皆。』
『元気してるか?』
『今からそっちに向かうんで、よろしくな!』
『ほんじゃあ♪』
再生が終了しました。
OK、じゃあ『新しいメンバー来て早々困っているから早く帰って来て』ってメールして頂戴。
わかりました!
す、スゲェ…
すごいでしょ!
これね、私が作ったの!
へぇ、すごいね。
って…えええええええエエエエエエエエエエエエエエえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
き…君、精霊…だよね…
うん、そーだよ?
精霊が精霊を作る、よく分からん…
私たちの中には、フィオナちゃんみたいに不思議な力を持った精霊もいるのよね。
そ、そうなんすか・・・
かえってきたぞ~
この人が、亮太さん…
なかなか優しそうな人じゃん。
亮太さん!
おかえり、お風呂?ごはん?
そ・れ・と・も…
お!噂の新入り!
なんか困っていると聞いてたけど…
うぇっ!?
あ、はい…まぁ…
ありゃ、無視されちゃった…
あ、リゼ。
ご飯で、あとあんさんのこと無視してないから安心してくれ!
あ、はい!
いやぁ…人気者って大変だよ。
は…はぁ…
(なんかすっげぇチャラい感じ…)
さて…本題に入ろうか。
君の元に、何があったのか・・・
それを詳しく聞かせてもらおう・・・
つづく