私には、才能というものを多分に持って生まれてきたらいい。
数年経つころには、私に勝てる者は国にはいなくなってしまった。
しかし、あまりに強すぎたせいで、私は自らに二つの封印を施した。
それでも、私は全力を恐れてしまい、封印の奥にさらなる鍵をかけてしまった。
それが放たれることを、心から恐れながら――――
私には、才能というものを多分に持って生まれてきたらいい。
数年経つころには、私に勝てる者は国にはいなくなってしまった。
しかし、あまりに強すぎたせいで、私は自らに二つの封印を施した。
それでも、私は全力を恐れてしまい、封印の奥にさらなる鍵をかけてしまった。
それが放たれることを、心から恐れながら――――
待ちやがれー!!
いやあああああああああああああああ!!
おい客人。落ち着けって
そこの岩陰に隠れてやり過ごすんだ。急げ!
う、うむ!
どこいったおらー!!
…………なんとかやりすごせたか
あぁ。見失ったようだぜ
助かった。感謝する
しかし、あの一瞬の間にこの岩陰を見つけるとは。大した青年だ
まぁ、やけにテンパってる奴見ると自然と冷静になったというか…………
ところで、何故貴様は逃げないのだ?あのゴーレムはとても強大なのだろう?
そういうアンタは、なんでこんなところにいるんだよ?
何を隠そう、私が高名な魔法使いだと村の者に知らしめてやりたかったのだ。私ならゴーレムなど簡単に倒せるとな
いや、現実逃げてるし、武器忘れてきた時点で世話ねえよな…………
………………
それで、貴様は何故だ?
何故って………そんなの決まってるだろ
故郷を守るためさ
っ!
俺、親父の跡を継いで漁師になって、昔から腕っぷしだけは強くて、よく問題を起こしては村の皆を困らせてたんだ
だけど、親父が亡くなって途方に暮れてた俺を村の皆は救ってくれたんだ。以前と変わらずに接してくれる。皆が優しい証拠だ
だから、守りたいのさ。俺たちの村を。村の皆を
………………そうか
気に入ったぞ、青年
そいつはどうも
そういえば、まだ名前を聞いてなかったな
俺は風ノ助。改めてよろしくな
良い名前だ。私は……………
知ってるよ。みずおっていうんだろ?若奈のお兄ちゃんが言ってたよ
事実無根だ!!
冗談だって。本当は何ていうんだ?
ソール・グルナディエだ。以後よろしく頼む
さて、どうするんだソールさん。もうすぐゴーレムが戻ってくるぜ
戻ってくるのなら好都合だ
風ノ助、今すぐ村に戻って若奈の家に行ってくれ。私の剣があるはずだ
剣で土人形を斬るのか?
あの剣は私の力の枷でもある。剣があれば、ゴーレムを簡単に倒せるだろう
けど、俺が戻ってくるまではどうするんだよ!それまでにやられちまったら………
私のことは心配するな。行け!
ああ。任せとけ。死ぬんじゃないぞ!
かくれんぼでもしているのか?
いやああああああああああああああああああああ!!
………傷つくぞ
いや、拗ねてみても可愛くねえからな………………
水男殿、忘れ物を届けに来たぞ
忘れ物だと?
私の剣!?持ってきてくれたのか!?
先端が欠けているのは気にするな。杖の代わりについて登ってきただけだ
何してくれたんだ貴様!!
と、ともかくこれがソールさんの剣なんだな?
あぁ。この剣があれば、私は自らに課した封印をひとつ解くことができる
封印って?
聞いている暇はなさそうだぞ
えっ?
そこかオラーー!!!
戻ってきやがった!
水男殿!
いい加減人の名前を覚えろ貴様は!
我が第一魔法源を解放せよ!魔剣・クロワ・アルシュ!!
みずお殿から、とてつもない圧力を感じる………
どうでもいいけど、今の音何…………?
何だ?何をしやがった!?
今から散りゆく貴様には知る必要もないことだ
急に二枚目っぽくなった!!
貴様に我が魔法の欠片を見せてやろう
消滅せよ!フラム・オラージュ!!
ぎゃあああああああああああああ!!
すげえ………炎の竜巻だ
………これ、周りの木々に燃え移ったりしないのか?
愚問だ。あれはただの炎ではない。我が内側を模した、内なる炎だ
……………ごめん、全然わからない
ひとまず、もうここには無用だ。村に帰るぞ
………………………………