赤塚

あれ?1年生来てないけどどしたん?

土浦

あー、今日図書館で朗読会あるんだってさ。
1年みんな図書委員だから行ってるんじゃね?

赤塚

ああ、年2回あるあれか。
かわいい1年生が行ってるなら俺らも行ってみる?

土浦

ぼくちゃんそれなりに興味あるー

友部

台本上がってきてないからやる事無いし、行ってみるかー

藤代

『黒々と鈍る鋭角は群青深淵に容易く沈んでいくでしょう、浅葱空を忘れるでしょう。
モノクロームの緞帳の中に垣間見えてる白銀を拾い続けて幸せを忘れないでね』

土浦

お?今回の朗読担当藤代なん?

赤塚

えー、なんだよあいつ。こんなイケメンボイス出すんだ

藤代

『君がくれた雪は溶けてごうごうと僕を飲み、柔らかな透度を重ね水面を書いた』

友部

…………

土浦

…………

赤塚

…………

藤代

『真っ白な二相形の冷たく透き通った世界は、僕のすべての幸いをかけて誰も苦しまぬよう春を迎える』

……はい、ありがとうございました。
今回の朗読会は以上です。
また2学期に開催しますので、その時をお楽しみに

土浦

よう、藤代お疲れ

藤代

おーっす土浦先輩。来てくれたんですね

土浦

赤塚と友部も来てるー

友部

よう藤代。台本の進捗どう?

藤代

取り敢えず1本出来たんで、持って来ましたよ

友部

仕事はやい

赤塚

まだ1週間経ってないのに

藤代

同じ図書委員のやつで『納期が納期が』って言ってるのがいるんで、長めに納期みといたんですよ

土浦

なるる

赤塚

そんじゃ、早速部室行って台本回し読みするか

友部

全員読み終わった?

戸頭

はい。読み終わりました

守谷

私も

友部

練習の時間長く取りたいから、みんながこれで良いって言うならこれで決まりにするけど?

戸頭

そうですねぇ、私、出来ればもっと常識的なお話が良いかなって思うんですけど

赤塚

確かに、溢れ出るディストピア感のせいでなんというか破滅的というか

守谷

狙って書いてるんだったらすごいと思うけど、そうで無いならちょっとねー

戸頭

ねぇ

守谷

何か教訓的な物が有るとかなら良いんだろうけどさ

藤代

教訓なー。特にそう言うのは考えてないけど

守谷

へぇ

土浦

そう言えば、夏休みの大会では藤代に役者やってもらいたいんだけど、みんなどう思う?

戸頭

藤代さんが役者ですか?台本次第じゃ無いでしょうか

守谷

男役ならって感じですかね

友部

俺は良いと思うけど

赤塚

演技してるとこみて見たさある

土浦

藤代はどう?

藤代

台本決まって、適した役があれば舞台に立ちますよ

友部

そう?じゃあ俺が書く台本、藤代に合いそうな役出すわ

戸頭

…………

守谷

…………

土浦

あれ?何か微妙に空気悪くなってる。なんでや

pagetop