今夜悪夢を解決しに行くのは、ある男子の夢の中だった。その男子は私と同じ中学二年生だ。なんだか少し親近感がわく。

チーシャ

ほら、ぼーっとしてないで悪夢を解決するよ

 チーシャの言葉に少しムッとしつつも、その男子の夢に入っていく。

 夢のなかは不思議な空間だった。中央には近未来的な摩天楼。その周囲を悪夢の塊である黒い霧が包んでいる。黒い霧はまるで竜のような姿をしており、咆哮まで聞こえてきそうだ。

眠井 朝華

今日の悪夢は手強そうね

 早速イイユメツールを使って悪夢を退治しようとする。

黒竜の騎士

ちょっと待った!

 しかしそれを遮る声。声のした方を向く。
 そこに居たのは黒いコートにオッドアイ、そして大剣を構えた男子だった。間違いない。この夢の主だ。

眠井 朝華

あの、あなたは

黒竜の騎士

名乗るほどの者ではない。ただ周りからは黒竜の騎士と呼ばれている

眠井 朝華

こく、は?

 彼の言っていることがよくわからない。彼は薄暗い空間なのにサングラスをかけると、竜に向かい突進していった。
 なんだろう、この鳥肌が立つ感覚。もちろんいい意味ではなく、悪い意味で!

チーシャ

あれは中二病だね。それもかなり重度の

 中二病、その言葉に納得させられる。確かにあれは中学生特有の病、中二病だ。

黒竜の騎士

喰らえ! 魔を食らう漆黒の炎! 顕現せよ、カオスフレイムスラッシュ!

 彼、黒竜の騎士が痛々しい必殺技を放つ。中二病とはこれほど見ていて痛々しいものなのか。そう初めて実感する。

チーシャ

ちなみに君も立派な中二病だから。その点忘れない方がいいよ

眠井 朝華

えっ

 チーシャの一言に、私は言葉を失った。

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