SHIN

そういえばさ。
ぐっちんはなんでバンドやろうとしたんだっけ?

この娘は何回も同じ事を聞く。

しかも
とうとつに。

めめたぁ

もー
またはじまった~。

もう最後だよ~。

私たちはとあるライブハウスで出遭った。

SHINちゃんが私の歌を聴いて
スカウトしたんだよね

私が歌うきっかけになった話しを
もう何度目だろう。

メタ発言はあまりしたくないけど。

言っておけってことだ。
私の話を聞け。

わたしはとあるライブハウスに吸い込まれるように
入っていったんだ。

タバコの残り香
煙る室内。
騒がしい音

正直このライブハウスというものが
あまり得意ではなかった。

でもその日は
友達に誘われるままに吸い込まれていった

その日
ステージを見上げるとそこには

超かっこいい女の人が歌っていた。
とても、とってもかっこよかった。

ギターとベースは双子らしい。
とてもやさしくてかわいらしい。

このバンドに出逢うために
吸い込まれてきたんだなぁ。

いつかこのバンドと対バンするんだ!

その一心で
まずはバンドのアシスタントをしていた

そうしたらそのライブハウスの店長が…

龍ちゃん

YOU歌好きなんでSHO!
うたっちゃいなYO!

とノリでその日空きがでてしまった
バンドの代わりにステージに
立たせてくれることになった


そこには思っていた以上の

「プレッシャー」
「視線」
「責任」

があった。

思うように出ない声
乾いていく口の中

ただ。

たのしかった。

わたしはここでやっぱり
歌いたいと思ったんだ。

龍ちゃん

YOU歌が本当に好きなんだね。
伝わってきたよ

右耳に集中して聞いてたら
感動したよ。

この店長は少し変な人だけど

わかってくれたみたい。

歌って心にこめれば
ちゃんと伝わるんだ

って。

その時の対バンのバンドに
SHINちゃんのバンドがいて

たまたまそのバンドのヴォーカルが
抜けることになった時に
声をかけてくれたんだよね。

SHIN

そーだ、そーだ

そうだったね♪

もう6回聞いたんだった

てへっ♪

てへっ♪
じゃねーよw

回数覚えてるのに…

まーそんなわけで
バンドに参加したんだ

で、練習を重ねて今日が

初ライブ★

きあいいれてくぞ~!!

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