清々しい空の下に、一人の少女がいた。
少女の名前は「ハルカ」
この物語の主人公である。
ハルカはどこにでもいるようなフツーの大学生。
男女に好かれるような、明るくて活発な女の子。
ちょっぴり、おバカな一面もあるけれど
決して頭が悪いわけでは無い!
清々しい空の下に、一人の少女がいた。
少女の名前は「ハルカ」
この物語の主人公である。
ハルカはどこにでもいるようなフツーの大学生。
男女に好かれるような、明るくて活発な女の子。
ちょっぴり、おバカな一面もあるけれど
決して頭が悪いわけでは無い!
おはよう~。
相変わらず、早いわね!
今日も朝から講義なの?
そうだよ~。
早く行かなきゃ~。
ってか、何で私のところに来たの?
今日は、お昼からなのに!
わぁ~!
ごめんね~。
つい、うっかりしちゃった~。
可愛いから許してあげる。
でも、学校は一人で言ってよね。
ふぁ~い!
ハルカの勘違いで、
アカネは起こされるのであった。
でもこれは、いつもの事である。
ハルカの可愛い顔を見ると、
貴重な睡眠時間を削られた事は
どうでもよくなるアカネであった。
すみません。
もし良ければ、
教科書見せてもらえませんか?
忘れちゃったの~?
え~と、ですね~。
慌てて家を出たので、
鞄を間違えてしまって。
バイト用の鞄で来ちゃったのです。
アルバイトしてるんだ、
大変だね~。
良いよ、
見せてあげる~。
傍から見ると、
あからさまに不自然な挙動のムツキであったが
ハルカは気にする事も無く、
教科書を見せてあげるのであった。
何も疑う事も無く、見せてくれた。
やっぱり、親切な人だなぁ~。
ムツキ君、大丈夫?
講義終わったら、コピーする?
ハルカさん、ありがとう。
後で返しても良いですか?
良いよ~。
次の講義の時まで、貸してあげようか?
いや、
流石にそれは申し訳ないので
今日中に返しますよ!
何コマまで、講義とってますか?
えーとね!
お昼まで取ってるかな~!
それなら、お昼にお返ししますので
ランチ一緒に行きませんか?
良いのかなぁ~?
僕は今日一人なので、
もしお嫌でなければ
一緒に食べたいなって。
分かった~。
じゃ~、ランチの時に返してね!
バイバイ~。
ちょっと待って!
食堂の場所だけ決めないと、
沢山あるから会えないよ!
いっけないね。
忘れてた!
ハルカは、
第二食堂が良いんだけど
ムツキ君は何処が良いの?
僕も第二食堂は良く行ってる!
なら、そこの入り口で待ってます!
ふぁ~い!
学校内でも、凝った作りの第二食堂。
まるで洋館に一室みたいな作りとなっている。
この雰囲気に誘われて、
多くの学生が此処を利用する。
ハルカさ~ん!
こっちですよ~。
ムツキ君、待った~?
ちょっと前に着いたので、
全然待って無いですよ。
それよりも、教科書有難うございました。
お礼に、ランチおごりますよ。
えっ、良いの~?
ありがと~!
お互いの事を始めて認識したというのに、
不思議と話が盛り上がり、
時間があっと言う間に過ぎていった。
ハルカさん。
今日はありがとう。
もし良かったら、またお食事しませんか?
お話ししていて、楽しかったので。
良いよ~。
ハルカね、
ムツキ君の事好きだし~。
えっ、今何て言ったの?
ムツキ君の事、好きだよ~。
え~~~~~~!
ハルカ~、
その言い方したら勘違いされるよ。
ってかさぁ~、
その男だれなの?
いやだな~、分かってますよ。
友達として
好きになってくれた事くらい。
だって、
今日が初対面何だし・・・。
この子は、アカネちゃん。
っでね
ハルカの友達になった、ムツキ君。
まぁ~良いわ。
変な事しないでよね!
ダイジョウブだと思うよ!
ハッキリしないわね~
こうしてハルカとムツキは出会った!
そして月日は流れて、
お互いに付き合う事になった。
ただ初対面の時の動揺は何だったのか
この後、ハルカは知ってしまったのであった。
ハルカ、
今まで黙っていたことがあるんだ!
もしかして、
結婚して下さいって言うの~?
違うよ!
出来ればしたいんだけど、
ハルカとは結婚出来ないんだ!
何よ、それ!
じゃ~、他に好きな人でもいるの?
そんなのいないよ。
はじめて会った時から、
ハルカが好きなんだからさぁ~。
えへへ~。
でもね、もうすぐ
お別れしなければならないんだ。
僕には時間が無いんだ!
ハルカとは一緒に過ごせない・・・。
なんで、そんなこと言うの?
ハルカの事、好きじゃないの?
僕がハルカとお話しできるのも
この姿でいられるのも
時間が限られているんだよ!
だって僕は、ヒトじゃないから・・・。
そんなの信じられない!
いくら私だって、騙されないよ!
そうだよね~。
普通こんな事、
信じられないよね~。
もう時間が無いみたいだから、
これだけは言わせて!
あの時、
公園でご飯をくれなかったら
僕はもう死んでいた。
ハルカが僕を見つけてくれて
ご飯をくれたから、
ここまで生きてこられたんだ。
ありがとう!
公園って何のこと?
はじめて会ったのは、
講義室だよね?
無理もないよ。
だって、この姿じゃないのだから。
本当はこのまま、
このまま消えるつもりだったけど
お礼も言えずには消えられない。
それに、この姿になってからは
ハルカと一緒に居られてすごく楽しかった。
ちょっと、まってよ。
何を言ってるの?
ありがとう。
大好きだよ、ハルカ。
くぅ~ん。
くぅ~ん。
あなたが、ムツキだったの?
ムツキ、今なんて言ったの?
くぅ~ん。
くぅ~ん。
何て言ってるか、分からないよ。
ごめんね、ムツキ。
犬に戻ってしまったムツキの言葉は
ハルカには伝わらなかったのであった。
ムツキの目からも、
ハルカの目からも涙が零れていた。
犬に戻ってしまったムツキを
ギュッと抱きしめて一晩中泣き明かした。
そして翌日から、
ムツキと一緒に暮らす事にしたのであった。
あの時のムツキは、
ハルカにこう伝えたかったのであった。
ハルカを悲しませて、ごめん。
ハルカに一言お礼が言いたくて、
会いに行ったのに好きになってしまった。
僕があの時にランチに誘わなければ、
こんなにも辛くて悲しい想いを
させずに済んだのに。
僕のエゴでこんな事になってしまった。
ごめんね、ハルカ!
そして、楽しい時間をありがとう!