嗚咽を履きながら
拳を振り下ろす菅原。
血だるまになる小暮の顔。
それに菅原と小暮自身の
涙や汗が入り混じって
ドロドロになった。
殴り疲れて倒れたところに
警官がやってきて
二人を取り押さえた。
嗚咽を履きながら
拳を振り下ろす菅原。
血だるまになる小暮の顔。
それに菅原と小暮自身の
涙や汗が入り混じって
ドロドロになった。
殴り疲れて倒れたところに
警官がやってきて
二人を取り押さえた。
翌朝
警察署から出て来た二人。
ぐるぐるの包帯巻きになった小暮と
殴りすぎて拳を骨折した菅原は
互いの顔を見合わせて大笑いした。
なあ小暮。おめえ俺の言いてえ事わかるよな?
ああ
てめえ腹くくれよ。
たしかに、そういう女だったな
菅原が煙草を差し出すと小暮は手で遮る。
何だよ。根に持ってんのか?ちっちぇえなあオイ。後で医者代ぐれえはちゃんと出すよ
いや、違うんだ…前歯が折れて咥えられねえんだよ
二人は大笑いした。
傷の痛みのせいか目をにじませながら。
川沿いに植えられた向日葵が
笑うように二人を見ていた。
頼んだぞ!アイツを幸せに出来るのはおめえしかいねえんだよ!
…わかった
それから尋ねた精神病院で再会した
粧子はもう彼女ではなくて
小暮や菅原が誰なのか
分からないのは仕方ないとしても、
カイロプラクティックと称して
食餌中に荒唐無稽な
うんちくをたれたり、
AVまがいに施術という名の
夜這いを混同していたり、
とりあえず
カッター自傷から飛び降りまで
自殺未遂を毎日繰り広げている
クソみたいなエピソードを
掘り下げるのは
あまりに残酷すぎるので省略。
俺たちが追い詰めちまったんだと思って生きて行こうな
それから病院側の依頼で
天涯孤独の安田粧子の
一時的保護者として
小暮は古巣のやすだ施術院に
荷物整理に行かされる事になった。
続く