鈴石茜

……おおっ あった!

佐島亮

だから言ったでしょう

鈴石茜

この前来た時はなかったんだもん

佐島亮

まー、地方は入荷が襲いですからねえ

鈴石茜

何はともあれ魔法少女(仮)の八巻入手!

佐島亮

おめでとーございまーす

鈴石茜

ひひっ 帰った後の楽しみが一つ増えたのぜっ

佐島亮

それはよかったですねー

鈴石茜

何故棒読み!

佐島亮

いやもう僕持ってますしー

佐島亮

あ、因みにこの巻で真白ちゃんの妹がついに……

鈴石茜

わーわーわー! ネタバレ禁止!!

佐島亮

えー。どうせツイッターとか支部とかでネタバレ見てるんじゃないですか?

鈴石茜

見てるのと聞くのじゃ全然違う!

佐島亮

ワガママですねえ

鈴石茜

言わなければいい話じゃん

佐島亮

あっ

鈴石茜

何?

佐島亮

いもパラコミック9巻の通常版があります!

鈴石茜

いもパラ……ああ、妹パラダイス?
通常版って……

佐島亮

ドラマCDやラバストなどが付いてくる限定生産初回限定版、通常初回限定版は買いましたが、通常版はまだ手に入れていませんでした

佐島亮

全て表紙が違うんです。この表紙も手に入れなければだめでしょう

鈴石茜

…………

佐島亮

何ですか?

鈴石茜

いやー、オタク怖いなーって

佐島亮

鈴石先輩に言われたくはありません!

鈴石茜

はぁ

佐島亮

まったく、酷いことを言いますね

鈴石茜

……ま、ちょっと寄っただけだしさっさと買って帰るとしますかねえ

佐島亮

りょーかいです

鈴石茜

ショッピングモール、カラオケ、ファミレス、本屋……

鈴石茜

か、かなりデートっぽくなったんじゃないだろうか

鈴石茜

いや、別に全然付き合ってたりとかしていないんだけど!

佐島亮

わーい! 制服姿も最高~

鈴石茜

……まだ、二次元に負けているしね……

佐島亮

なんか言いました?

鈴石茜

ううん……私もいもパラ読んでみようかな

佐島亮

貸しますよ! 小説版、漫画版どちらから入りたいですか? アニメもやってますけど、やっぱりまずは原作の方から入った方がいいと思いまして……っ

鈴石茜

……ま、漫画版で

佐島亮

ちなみにいもパラは小説版、漫画版で視点が違うんですよ。この物語には正規ヒロインというものがなくてですね……

鈴石茜

いいよ! 両方貸して!

佐島亮

はい! 是非!

鈴石茜

……すごい布教精神だ

鈴石茜

まあ……

そうやって二次元に浸り込んでいる様子も好きになっちゃうっていうんだから……

重症、だな……

佐島亮

すみません、熱くなってしまいました。帰りましょう

鈴石茜

はーい

鈴石茜

今日は、ありがとう

佐島亮

佐島亮

先輩は僕に奢ったんですから、僕がありがとうって言うべきなんですよ?

鈴石茜

しまった! そういう設定だった!

佐島亮

鈴石先輩?

鈴石茜

い、いや、服選ぶの手伝ってもらったり、いろいろ話してくれたり……いもパラ貸す約束してくれたり……

佐島亮

まあそれくらいは、やって当然のことなんで

鈴石茜

最後の台詞はつっこむところだと思ったんだけど……

鈴石茜

それに、今日は楽しかったから

佐島亮

僕も楽しかったですよ

鈴石茜

わ、私こうやって誰かと遊ぶとかあんまりそういう機会なくて……

佐島亮

あー、鈴石先輩友達いないんでしたよね

鈴石茜

い、いないってほどじゃ……!

佐島亮

やーいぼっち

佐島亮

ぼっちの生徒会長~

鈴石茜

うるさいっ

佐島亮

あーもう先輩、もう夜なんですからあんまり大きな声出さないでください

鈴石茜

コイツ……っ

佐島亮

まあ仕方ないんで、僕でよかったらたまには付き合ってあげますよ

佐島亮

ぼっち生徒会長~

鈴石茜

そ、そのネタやめろ!

鈴石茜

……って

鈴石茜

い、今なんと……

僕でよければ付き合ってあげますよ

鈴石茜

は、反則じゃないですか!!!

佐島亮

どうしたんですか?

佐島亮

嬉しくて嬉しくて震えちゃっているんですか?

鈴石茜

そんなわけない!

鈴石茜

で、でもまあたまにはこうやって遊んでもらえると……

鈴石茜

う、嬉しいかも……なんて

佐島亮

まったく、仕方ないですねえ

佐島亮

遊んであげます

鈴石茜

あ……ありがとう

佐島亮

…………

鈴石茜

ん?

佐島亮

いや…………

佐島亮

鈴石先輩って単純だなーって

鈴石茜

どういう意味だ!

佐島亮

いえ、なんでも……

鈴石茜

……ふうん

鈴石茜

あ、うち、ここ

佐島亮

なるほど……大きな家ですね

鈴石茜

この辺りじゃ普通じゃない? 
まあうち両親が共働きだからね……

鈴石茜

普通に暮らしている分にはお金には困らないんだけど……そこまで仕事して何になるんだか……

鈴石茜

流石にそろそろ帰ってるかな……

佐島亮

複雑なご家庭ですねー

鈴石茜

まあねー。ありがちだとは思うけど

佐島亮

では、この辺で……

鈴石茜

うん、ありがとう!

佐島亮

はい。おやすみなさい

鈴石茜

おやすみ……あ

佐島亮

鈴石茜

気を付けてね……

佐島亮

はいはい。夜道を徘徊する闇の組織に狙われないように注意しておけってことですかねー

鈴石茜

べ、別にそういう意味じゃ……

佐島亮

大丈夫ですよ。また月曜日に会いましょう

鈴石茜

そうだね……

鈴石茜

おやすみ

佐島亮

おやすみなさーい

鈴石茜

…………

鈴石茜

こ、これ現実だよね……?

鈴石茜

これが現実ってやつなんだよね!?

鈴石茜

夢……みたいだけど

まあ……

月曜日に会えば、ちゃんと分かるんだけど。

今日のことが私にとって特別であったように、
佐島くんにとっても特別であったらいいな……なんて

鈴石茜

……我儘な考えだなあ

我儘だけど、そう思ってしまう自分がいる。

鈴石茜

はぁ……

間違いない。私は重症だ。

続く

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