この世界は遥か昔、ある神によって創られた。
その神はたった一人の王を選び自分の力を分け与え、この世界を一つにしようとした。
しかし、ただ一人神に選ばれた人であって人でなくなってしまった王は、寂しさのあまり自分に仕える五人の人間に自分と同等の力を与え世界を六つの国に分けた。
緋の国。
蒼の国。
貴の国。
碧の国。
白の国。
黒の国。
国と民を与えられた五人の王がそれぞれ自分の思う立派な国をつくるために努力を惜しまなかったことで、六つの平和な国ができ世界の平和は保たれた。
それによって神に選ばれた王は自分の選択は正しかったんだと安堵し、その考えのまま生涯を終えた。
世界が変わったのは、一人目の王が亡くなってから数年後のことだ……。