眠井 朝華

ううっ……!?

























ソレハ、唐突ダッタ























邂逅


























寝坊での遅刻は日常茶飯事。


それが私のアイデンティティ。


時間に追われる事はなく、


しかし、いつも通りに学校へ向かうスタイル。








だけど、今日に限ってはそれは少し違っていた。












眠井 朝華

何でこんな所に餃子が……

眠井 朝華

!!!





やめろ、私の腹の虫。


そんな子に育てた覚えはない。





たとえ今日だけ親も寝坊して


朝ごはんを食べずに登校したとしても、


それは踏み外してはいけない人の道。





眠井 朝華

お腹すいたなぁ……。





眠井 朝華

はっ!

ヒソヒソヒソヒソ

まさか、食べちゃうのかしら……

眠井 朝華

ち、ち、ちがいます!
い、いらないです!!




カロリー不足の体には


堪える逃走劇。





一体、誰がこんなトラップを?


的確すぎて倍率1しかオッズが付かないぞ。




危うく井戸端会議の燃料を


投下するところだったじゃないの。


いや、食べないけど。






大体、佐藤さん(仮)と鈴木さん(仮)だって


井戸端会議などせずに片付ければいいものを。


あれか?新手のスタンド使いか?


to be continuedか?







眠井 朝華

はぁはぁ、ペース、み、乱された……。




学校へ着く頃には


一日分の体力を使いきっていた。


そうよ、そのはず。


朝食というのはそれほどに重要なの。


それゆえ、道の落し物に


手を出したくなるのも仕方ない。


許せ世間の常識、私の良識。


にも関わらず障害を乗り越えた私を褒め讃えよ。






さて、過度な浪費には適度な休息。


我が安息の地よ。


我はもう間もなく、そこへ逝くぞ。













いつもの如く私を拒む校門。


不審人物を不用意に校内へ入れない為には


至極当然のセキュリティ。


さっきの餃子だって


不審人物が設置したのかもしれない。


そうよ、きっと怪盗ギョーザの仕業に違いない。





でも、そんな怪盗ギョーザなら


今なら許して差し上げてよ?









空腹に苛まされながら、


インターフォンをプッシュする。




……






眠井 朝華

んんー?








……応答なし。










きっと、インターフォンの中の人が



お茶でも汲みに行っているのだろう。



深呼吸を3回ぐらいすれば戻ってきてるはず。



眠井 朝華

もう一度……。



深呼吸で得た酸素の量は十分。




指先に血液を集中させ、


新たな酸素を送り込み


再びインターフォンをプッシュ。









……








……応答なし。













ついに学校そのものが


異界へと飲み込まれたのか?





私の安息の地よ、


そこへ逝けない我を許してくれ。





私はそれとなく構内を覗き込む。


あら、眠井さん。

眠井 朝華

あ、ほ、保健の先生……。






思わぬところでばったりと出会い


驚きが隠せない。


異界の瘴気は校門に保健室を繋いだのか?








そんな妄想も束の間、


私は保健の先生の背後に映る


生徒らの列に目を剥く。








































緊急全校集会ダ……





























つづく

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