♪空白の日

例えば晴れた日に神様が迷子で
みんなが狂ったら
記念写真を撮ろう
ビルの屋上で大好きな君と

声は届かないまま
悲しい唄へと変わるよ

例えば
上手に笑う僕を見て
君がもしも泣いたなら
赤・青・いろんな色
指のすきまから心が流れた

声は届かないまま
悲しい唄へと変わるよ
胸に刺さってたトゲなら
抜いたはずなのに まだ痛いんだ

いつかカラッポの僕の中から
嫌いな自分までいなくなったら
僕には何が残っているんだろう?
両手をただ眺めてた

声は届かないまま
悲しい唄へと変わるよ
胸に刺さってたトゲなら
抜いたはずなのに
まだ痛いから、歌った、歌った――。

「例えば」っていう言葉で
未来を思い描いている僕です。

あの日のことは今もよく覚えている。
大切なあの人を失った日だから。
 
俺はあの人のことが好きだった。
世界の誰よりもあの人のことが大事だった。

 
けれど、あの人の俺に対する執着に、だんだん俺は恐怖を感じるようになっていた。

あの頃の俺に自由はなかった。

俺は、このままじゃあの人も、俺自身もだめになると思ったんだ。
 

だからこそ俺はあの人のいる家を捨てた。
 
距離を置けば、きっと昔の優しいあの人に戻ってくれると思っていた。

 
でも、それは思い違いだった。
あの人はまずます俺に対する執着をひどくしただけだった。

俺達は必死であの人に居場所を知られないようにしていたのに、あの人はあっさりと俺の居場所を見つけた。
 

俺はますますあの人への恐怖心を強くした。

あの人が怖くて仕方なかった。
あの人が怖くて怖くて怖くて怖くて――
 



気がついた時にはもう、取り返しのつかない事態になっていた。
 

君は俺を責めたりはしなかった。
俺の犯した罪を知っても、俺を捨てなかった。


そればかりか、君は俺の罪を消す手伝いをしてくれた。


君はそれによって自分が罪に問われるかもしれない危険を知りながらも、俺を守ってくれた。
 

ふたり冷たい雨に打たれながら、俺達はこの罪を忘れると誓った。


忘れて、ふたりで生きていくことを決めた。
 

その日から、君の存在は俺の中でどんどん大きくなっていった。
 

君は俺のすべてだった。
俺はなにがあっても君のそばにいようと思った。


君がいなかったら、俺はここまで続けてこられなかっただろう。


君がいたから、俺はどんなにつらいことでも耐えることが出来たんだ。
 






それなのに、君は――…

はじまりの日(1)

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