おはよう

僕の日常。
それは君との会話から始まる。

おはよう

君はいつも僕より低い声で返事をくれる。

僕、本当は今日起きたくなかったんだ・・・・

へぇ、なんで?

心の底からどうでもいいと思っているのだろう。
僕は大きくため息をついた。

君は見た目は僕と同じはずなのに
中身はまるっきり違うよね
どうしてこんなに違うのかな

そりゃ俺は俺でお前じゃないからな
結局なんで起きたくなかったんだよ
関係あるのか?

関係あるといえば関係あるが関係ないと言えば
関係のないことで言葉がでてこず、
もごもごと口を動かした

さては
この前引っ越してきた女の子のことか?

君は僕のことなら、なんでもわかるのか!!!
そう思いながら口を開く

実は・・・
一緒に遊ぼうって誘われてて・・・

それで?なんで起きたくないんだよ

僕と遊んだ子はみんないなくなるって
大人の人たちが噂してた
だから僕があの子と遊んだら
あの子がいなくなっちゃうんじゃないかって・・・・

そんなの大人が言ってるだけだろ!
気にするなよ

僕も君みたいな
性格だったらよかったのにって
今改めて思ったよ
はっきり言えて流されない
君はほんとにすごいね

ああ、
だからさっきあんなこと言ったのか
俺とお前は違う存在だけど
お前にはお前の良いところいっぱいあるだろう

僕は何度君の言葉に助けられただろう。

ありがとう!

お待たせ!
ごめんね遅くなっちゃって
一人で退屈だったでしょ?

全然待ってないよ!一人じゃないし

・・・・・・

さっきまで誰かいたの?
ここ秘密基地みたいでいいね
こんなに大きい鏡も初めて見た!
私手鏡しかもってなくて

・・・・・

ここ僕のお気に入りの場所なんだ!
向こうにも、とっておき場所があるんだよ!
そっちで遊ぼう!

彼女の手を引き、ドキドキと高鳴る鼓動が聞こえてしまうんじゃないかと思いながら歩き出す。
僕の鼓動はどんどん速くなり、目の前の世界が歪んだと思うと、

いきなり瞼が重くなり僕の意識は途絶えた。

・・・・・・

ねぇ大丈夫??ねぇ!!!

・・・・・

ごめん。
ちょっと眩暈がしたみたいで・・・・

大丈夫?
私、向こうの川でハンカチ濡らしてくるよ!
だから休んでまってて

ありがとう

少女は少年に背を向け走り去ってゆく

さて・・・
今回はどうやって

遊ぼうかな

pagetop