そう、私は男ではなくれっきとした女だ。
何故、何時頃からこんな事をし始めたか。
もうはっきりとは覚えていないがきっかけはただの好奇心だった。
元より見た目や声が中性的だった私は、自分で好き好んで男みたいな格好をしていたが、それは世間的には「可笑しい子」として捉えられ、周りと同じように過ごすということも当然叶わなかった。
おおっぴらに苛められるような事は無かったが、ごく一部の人間には冷たい目線を常に向けられていた。
私がそれに耐えられたのはそれがいじめの類でなくただの無視などで済んでいたことと、周りに理解者―――つまり幼馴染の緋音だ―――が居てくれたお陰である。
緋音が私をネットに誘ったのもそんな環境だったからだと思う。
あまり良い事ではないが、ネットに浸かってしまった今なら分かる。
ネットは私にとって「最適の場所」なのだと。
私が男の様な格好をし始めたのが小学2年生。
緋音にネットに誘われたのは中学3年生の時の話だった。