かつて三本の剣がこの世界を作ったと言われている。

第一の剣から人族が生まれ、第二の剣から蛮族が生まれた。

人族と蛮族は常に対立し、争い、憎み合いーーそして殺し合ってきた。

騎士

もう一息だ! 一気に畳み掛けろ!

蛮族

ゲヒィッ!

蛮族

クッ……ココマデカ……ッ! ……エエイッ、退ケッ! 退ケエェーーッ!

蛮族

ゲッヒャァ! 逃ゲロ!

騎士

おのれ、逃がすか!

騎士長

待て! こちらも負傷者が多い。 深追いはせずともよい

騎士

しかし騎士長! やつら殲滅せねばまた!

騎士長

あやつらを皆殺しにしたとて、いずれまた次は現れる。 それならば戦力を温存し、あくまで防備を堅牢にするべきなのだ

騎士

くっ……

騎士長

忘れるでないぞ、我々は決して攻性の部隊ではない。 専守防衛こそ我ら国境警備隊の使命よ

長く平和であったこの国でも蛮族と人族との小競り合いが始まり、にわかに平和が脅かされていた。

そして、この戦を契機に平和な山奥の村にまで戦火が及ぶことになるとは、まだ誰も予想していなかった――。

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