その日の僕は、ストリエというウェブサイトを見ていた。これは文章やイラストを組み合わせたストーリーを読み書きできるサービスで、人気のライトノベルを再編集したものや、一般の人が投稿したストーリーを読めるようになっている。
ストリエには、イラストだけを投稿する人もいる。ストーリーを書く人が使えるように、キャラクターや背景を投稿するのだ。
イラストのコンテストも開かれていて、例えば「太陽系最強のアイドルを描け!」といったテーマでイラストが投稿されている。「太陽系」の解釈だろうか、向日葵をあしらったものが多い。
随分沢山あるなあ、とか、この絵可愛いなあ、と画面を眺めていたら、その一角に写っていた妖精のような女の子の絵が、不意に動いた。動いただけじゃなく、話しかけてきた。