……

……

 無言。
 なにこの空気。

 あんなことがあった手前、何話していいかわかんない。

きょ、今日はお姉さん家に帰るの?

……ああ

……

……

 終わっちゃったよ会話。

 沈黙のまま、私の降りる駅に着く。

じゃ、またね

ああ……

 ドアが開き、ホームへ降りる私。

杏月!

ひゃい!

 いきなり呼ばれて、びっくりしながら振り向く。

名前……間違えてすまん

い、いいよ大丈夫、気にしてないっ!

 実はすっごく気になってるけど!

ま、真帆さんって誰かなーなんてっ!

元カノ……かな

元カノだったのかー!

けどよ……無かったことにとか、するなよな

え……

今日のこと、消すなよ!

 それって、ウリエルの力のことだよね!?
 なんで知ってるの?
 やっぱりあの校舎裏で私達何かあったの?

どうして……?

忘れられんのは……辛い

 閉まるドアと、ホームにたたずむ私。

……

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