僕には、お父さんとお母さんと過ごした思い出など何もない。何故って?確かなことは誰も教えてくれない。ただ皆がそろっていう事は、十年前に終戦した第五次世界大戦で死んだという事だけだった。
第五次世界大戦は僕らの世界を大きく変えた。
一つは魔法が生まれた事。
一つは日本の東北地方より南の地域が全て砂漠化
した事。
一つは、魔物が現れるようになった事。
そしてもう一つは、人間が魔物と契約し、自由に契 約した魔物を召喚し、戦わせられる召喚士が生まれ た事だ。
僕の村には召喚士など僕以外誰一人としていない。いたとすれば、すぐに軍に入隊させられるからだ。召喚出来る事を隠していたとばれただけで村を一つ焼き払われるらしい。
だから今まで僕は召喚できないフリをして過ごしていたんだ。
だが、それが軍にばれてしまったのか突如、村に黒いマントで全身を覆い隠した五人の召喚士達が村に攻め込んできた。