~ つづく ~
今回のCDイベントは、前回も共演した杏菜・リンドバーグちゃんと行う予定なんですけど…
…あら、杏奈ちゃん
あんな隅っこでどうしたんでしょう?
…はぁ… …あ~あ…
ステージに立ちたくないなぁ…
もう疲れちゃったよ…
…アイドルなんて、やっぱり私にはムリだったんだよね… …ぐすっ…
あ、杏菜ちゃん!
杏菜ちゃんがダークサイドに落ちかけてますよ!? いったいなにがあったんです?
…あなた達ですか…杏菜は宇宙から新しい電波を受信中…受しん…私、いつまで宇宙人でいなきゃいけないのかなぁ…?
コンビニであんまんを買うときに、ダークマターまんくださいって言わなきゃいけない生活なんて、もうやだよぉ…
…プロデューサーさん
どうやら宇宙人アイドルには、地球人の想像を絶する苦労があるようです
どうせみんなだって、本当は私が宇宙人だなんて信じてないと思うし、宇宙人アイドルなんか求めてないよ…
そんなことないですってば!
吸血鬼やロボットのアイドルだっているし、ファンに愛されてるじゃないですか!
あの人たちは全然、悩みとか葛藤とかなさそうで、うらやましいなぁ… いつも楽しそうだし、堂々としてるし…
…もしかしたらあの人たちはホンモノのロボットやヴァンパイアなのかも…! 実は私だけがニセモノ…!?
ああ、いつか本物の宇宙人が事務所にきて、私のせいで誤解されたって怒り出したらどうしよう…私、否定できないよ…
…プロデューサーさん、どうしましょう?
杏菜ちゃん、いろいろと限界のようです。このままじゃ今日のステージが…
ここはうちのグループの実力で、杏菜ちゃんの分まで盛り上げて、なんとかイベントを成功させましょう!
ふぅ…なんとか無事に乗り切りましたね。さすがはプロデューサーさん、ほれぼれするような手腕でした!
今日ちょっとだけ、わかった気がする
アイドルが心の底から楽しんでなかったら、ファンを楽しませることはできない…
…私、頑張ってみなさんに追いつくね
本物の宇宙人がファンになってくれるような、ステキなアイドルを目指すから…!
杏菜ちゃん、笑顔がもどりましたね
いつか本当に宇宙人さえファンにするぐらい、魅力的なアイドルになれるかもしれません
うちものんびりしてられないですよ~?
杏菜ちゃんに追いつかれないように、全力で次のステージへ駆けあがりましょう!
~ つづく ~