突如としてソレは現れた。
突如としてソレは現れた。
春休みが終わり進級してからの始業式。その最中やって来た一人の男性。明らかに様子がおかしい不審者に対し一人の先生が駆け寄って話を聞こうとしていると、突然、その男は先生の肩に噛みついた。
ガッ……何を……っ!?
噛まれた肩口を抑えながら悶え苦しむ先生。痙攣しのたうち回り口からは泡を吐きながらいくつもの血管が膨れ上がり肌の色が変色していく。
一人の生徒が悲鳴を漏らした。それを切りにパニックが起きる。
そんな中、体育教師の男が不審者の男に対し勇敢にも立ち向かおうとした。
その時だった。
…………
山梨先生?
がっ!? 何を……
倒れていた先生が立ち上がり、その教師に襲い掛かった。
不意の一撃に噛まれる体育教師。先の先生同じ状態に陥り、そしてまた立ち上がる。
ヴォウと言う気味の悪いうめき声をあげながらゆっくりと生徒を見定めるその教師の目を見て、ほぼ全ての人間がいやでも理解した。
ゾンビだ
わにわにパニック
ゾンビだ!!
思わず私は後ずさる。
ゾンビ? ゾンビってあのゾンビ?
訳が分からない。突然の事態に頭が回らない。
それはほかの生徒も同じようで、冷静になるまでにそれ相応の時間を費やしてしまう。
校長先生に至ってはカツラがどっかに行くのも気にせず頭を掻きむしっている。
結果、被害は拡大する。