差配屋

運用例ができたら切り分けてく形になるな。

“マスターキー”イチロウ

「錠があったら鍵を作る。それだけですよ?」

●東から来た者
 はるか東の島国、スゴロクからやってきたという黒髪の青年。
 エンジン国民から見れば子供のような身長と華奢な体つきで、分厚い眼鏡がトレードマーク。
 なかなか表情を表に出さない、何を考えているかわからない、などという評判が付きまとう。
 エンジン技師としてニューフェイス中層の工房で働いている一職人である。

●マスターキー
 どんな錠でもたちどころに開けてしまう、魔法の鍵があるとしたら。
 金庫破りもスパイ活動もやり放題。喉から手が出る品だろう。
 イチロウは、それを作れる。
 スゴロク秘伝の製法で、金属片を複雑な手順で組み替えることで、どのような錠にも対応する鍵となる。
 その鍵は裏社会で宝石のように扱われている。
が。イチロウが気に入った相手ならば、たやすくそれを渡すだろう。
 鍵は錠を開けるためにある。だからイチロウは、その鍵が真に必要な錠を前にした者に、“マスターキー”を渡すのだ。

●子飼人としての“マスターキー”イチロウ
 きみは、“マスターキー”イチロウと雇用契約を交わしている。
彼の協力により、以下の行動が行える。

◆職人気質
必須タグ【クレバー】の条件を常に満たす。

◆イチロウのキー
イチロウが事前に用意したキーで、あらゆる錠をスマートに開ける。
依頼解決判定の際、個別難度【警備】の値を常に-3する(0未満にはならない)

◆スゴロクの玉手箱
綺麗な装飾のされた謎の箱。イチロウからのプレゼントである。
開けることで奇跡と同時に怪異をもたらすという。
依頼解決判定の際、判定のサイコロを1回振りなおすことができる。
ただし、振り直し前に玉手箱表を振って、結果を適用してから振りなおす。

玉手箱表
1 白い煙が噴き出した! ……だけだ

2 爆音と共にタイやヒラメがあふれ出した! 個別難度【雑踏(2】を追加する

3 白い煙を浴びた人材の顔が老人に変化した! ……だけだ

4 轟音が鳴り響き、警邏中の警官がやってくる! 個別難度【警備(2】を追加する

5 玉手箱を空けた! ……何もおこらなかった

6 きみたちのいる空間に覆いかぶさるように、奇怪なる深海世界が広がる……。個別難度【危険(2】を追加する

カ・シミ・ィル

「我がトーテムは貴様の血肉を欲しておる」

●街の裏側
 ニューフェイスはすり鉢状に掘り進められた大穴に造られた街である。
 よって、上にあるものは下に落ちる。上から捨てられたものもまた、下に落ちていく。
 ニューフェイス上層の富裕層の邸宅には下水道が完備されている。
 それはどこへ繋がっているか? 大穴の側面に無数にあけられた、旧き坑道へ流されているのだ。
 それは流れ流れて、下層の貧民街まで続いていく。
 その水路を覗こうという物好きは、そうは居ない。

●なぜなら、覗けば最後だからだ。
 旧坑道/下水道には主が居る。純白に輝くクロコダイルである。
 そして、それをトーテムを拝む原住民の少女が一人。
 その名はカ・シミ・ィル。バールのような棍棒を手に、旧坑道に立ち入る不届き者を排除するのが彼女の使命だ。
 旧坑道の最奥には、原住民が命を賭して秘した宝が眠っているという。
 そんな噂に引き寄せられた無宿人たちは、翌朝までにクロコダイルの腹に収まっているという。

●子飼人としてのカ・シミ・ィル
 きみは、カ・シミ・ィルが心を許す、数少ない友人だ。
 彼女の協力により、以下の行動が行える。

◆トーテムバール
必須タグ【剛力】の条件を常に満たす。

◆旧坑道の主
必須タグ【小柄】の条件を常に満たす

◆トーテム:白き竜王
聖なるクロコダイルが敵を飲み込む。
依頼達成判定の際、1d6して奇数が出れば個別難度【警備】【雑踏】【報道】をひとつ削除できる。
ただし偶数が出た場合、クロコダイルは人材1名を飲み込んでしまう。その人材が悪しき者ではないと、果たして証明できるだだろうか?
この効果は何度でも使用できるが、人材が惜しければほどほどにしておいた方が身のためだ。

ショー・ミルキーウェイ

「ぼくのうたが届くのなら」

●社交界の歌姫
 ニューフェイス上層の一等地に、キャバレー『スター』はある。
 ここは夜に輝く星であり、ちいさき原石の光煌くショウの場であり、ニューフェイスの政治が動く社交の場でもある。
 そして現在『スター』のトップを飾る歌姫が、ショー・ミルキーウェイという「少年」だ。
 類まれな歌唱力と中性的な美貌をもって『スター』の看板歌手となった彼を贔屓にという客は多い。
 しかし彼は、その曇りなき瞳に叶う相手だけを選び、酒杯を捧げるのだった。

●ショー・ミルキーウェイという存在
 彼の真の姿を知る者は、『スター』に関わる者の中でもごく一部、彼が心を許した相手だけである。
 彼は『エンジンロイド』 心臓の代わりにエンジン機関で動く、仮初の生命体なのだ。
 もっとも、エンジンロイド自体はニューフェイスにおいて珍しい存在ではない。
 だが、その中で完璧な人型を保ったエンジンロイドは、彼を含めて数体しか居ない。
 伝説のエンジン技師「エンジン=ソン」によって作られた彼は、見た目よりもずっと長き時を生きている。
 その瞳には、幾多の友を看取った、悲しい別れを秘めているのだ。

●子飼人としてのショー・ミルキーウェイ
きみは、ショーが正体を明かした、数少ない真の友である。
彼の協力により、以下の行動が行える。

●完成された美
必須タグ【美貌】の条件を常に満たす。

●エンジン思考
必須タグ【クレバー】の条件を常に満たす

●キャバレー『スター』
依頼人からの依頼提示を、『スター』を舞台に行うことができる。
ショーの歌声に聞きほれた依頼人は、何かしらの手心を、きみに加えてしまうだろう。
それが、ショーのせめてもの計らいである。
手心表を1回引いて、結果に従う。

手心表
1 歌に聞きほれた依頼人は、きみに旨い酒を奢る

2 歌に聞きほれた依頼人は、駄賃だといって1Coinをきみに渡す

3 歌に聞きほれた依頼人は、きみに高級な料理をふるまう

4 歌に聞きほれた依頼人は、前金が必要だろうと3Coinをきみに渡す

5 歌に聞きほれた依頼人は、きみに有用な人材を紹介する。人材チャートを1回引く

6 歌に聞きほれた依頼人は、依頼面子の人選をきみに任す。必須タグ一つを自由に決定できる

ポーナー=コーン

「酒だ。とびきり強いやつを」

●酒場のおっさん
 ニューフェイス中層から下層には、無数の酒場が点描のように立ち並び、昼も夜も酒浸りの男たちを向か淹れている。
 その中でひときわ強い酒の匂いをさせているのが、ポーナー=コーンという中年男である。
 始終、酒浸りの生活を送りながらも、何故かツケで飲んだことはない。奢られるのも無しだ。ちょうどその日の飲み代きっかりを、ポケットから取り出しては放る。酒場の名物の1人である。

●酒が切れれば
 ポーナー=コーン。その名は、エンジンを東西に割った内戦において畏怖をもって語られる。
 彼が率いた部隊は、その損耗を恐れぬ戦い方と、敵への無慈悲な仕打ちから「不死者」の異名を取っていた。だが、彼らは決して不死者ではなかった。その証拠に、内戦終盤において部隊は壊滅。生き残ったのは大将である彼ひとりだけであった。
 酒が抜けた時の彼は、正確な戦術眼と無慈悲な戦法をもって作戦を遂行する部隊長そのものだ。だが、そんな彼はもう、この時代には必要ない。だから彼は、きょうも酒で己を鈍らせるのだ。

●子飼人としてのポーナー=コーン
 きみは、ポーナー=コーンが酔いを醒ましてでも協力したいと思えるだけの信頼を勝ち得ている。
 彼の協力により、以下の行動が行える。

◆不死者の王
正確無比な戦術眼により、タグ【クレバー】を常に達成している。

◆死の行軍
弱者を打ち捨てる無慈悲な行軍により、作戦を遂行する。
依頼解決判定の際、ダイスを振る前に、『力』2の人材の『力』を3に変更する。
ただし同時に、『力』1の人材が消滅する。

子飼人”マスターキー”イチロウ◆カ・シミ・ィル◆ショウ・ミルキーウェイ◆ポーナー・コーン

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