マリのもとへ戻った僕らは、シンとクレアの死を告げる。
そんな……
マリのもとへ戻った僕らは、シンとクレアの死を告げる。
あたしは国を立て直すわ
それがクレアへの恩返しだから
僕は……マリさんにお願いがあります
血をください
まさか……貴方
僕はあいつを……あいつをなんとしてでも倒さなきゃならない
黒魔術……ですか
でも、あれは代償が!
ええ。大切なものを奪われるという
そんな! 拓雄さんまでいなくなったら、あたしもう……!!
シェリーは瞳に涙を浮かべる。
いなくならないよ。勝つためだから
……拓雄さんが全部背負わなくても!
シェリー、いいかい? 君は国を背負うんだ。それは君じゃなきゃできない
いま君にできること、そして僕にできること。仲間のために、世界のために
……今は獅子奮迅するんだ
こうして僕はマリに血を貰い、ラファエルと共に小屋へと向かった。
インヴォ……!
僕はマリの家で黒魔術の本を出し、すぐに召喚を始めた。
我を呼び出したのは貴様か……
そうだ! 三つ叶えてくれるんだよね!
代償も三つだがな……
それは人を生き返らせたりはできないの?
……我々に魂の操作は不可能だ
そっか……なら
僕は願った。
一つ目、マリの魔力を『僕』に返してくれ。
その代償として、僕は十二時間で忘れられてしまうようになった。
二つ目、マリの存在を返してくれ。
その代償として、僕にとって大切な人には僕の存在が見えなくなった。
これで、マリはレオン達にも認知されるんだよね?
ああ……魔力も返したことにより軌跡の代償もなくなった
よかったね、マリさん。お幸せに……
最後は何を願う……
なら、三つ目は特にないかな……
待って
ラファエル様?
拓を……この人を、私だけには認知されるようにして
……よかろう。だが、その代わり貴様の軌跡も代償として貰うぞ
いいわ
ラファエル様……
……では、その願い叶えてやろう
こうして僕らの願いは、叶った。