皆さん、あたしに力を貸してください!

野郎ども! いくぞ!

 三日目、夕暮れ。

 索敵結界を作る男を倒した僕らは、最終決戦へと向かう。

 魔法の使えないマリは王国で待機することとなった。

 ロイ率いる花鳥風月組と、シェリー率いる王国軍は正面突破を。

 シン、クレア、ヒーチ、ソージ、そして僕とラファエルは、レオンに乗って魔王のもとへ。

 ついに戦争の火蓋が切られる。

 待ち受ける魔王軍。
 ロイ達が仕掛ける。

撃てー!

シャドウアロー!

 魔族も反撃する。
 だが、イルランの応援部隊もあり、勢力的にはこちらが有利そうだ。

よし、俺らは今のうちに王座へ突っ込むぞ!

 レオンに乗り地上を発つ僕ら。

 屋上に降り立った僕らは、上から魔王のもとを目指す。

待て!!

 そこへいつかの門番の子らが現れた。

あの時のチャラ男!

ああ、ごめんなさいごめんなさい

にゃ(すぐ謝るのやめなさい、弱虫)

シャドウクロウ!

 長い爪に魔力を込め、駆け寄ってくる魔族。

危ない!

 敵はヒーチを狙って豹のように素早く跳ねる。

わーっ!!

後ずさり、背中を壁に押し当てて、両手でかばう様に丸くなるヒーチ。

うおおおお!

 そこへ迅雷のように飛び出るソージ。

 ヒーチを庇ったソージが敵の攻撃をまとも食らってしまった。

ソージくん!

ヒーチさん……無事っすか?

 うずくまりながら顔をあげるソージ。
 声を出すのも苦しいような息をする。

うちは大丈夫! 早く手当しないと!

貴様らー!

 シンが目を青くして飛び出す。

旋風斧!!

うわああああ!

きゃああああ!

 魔族の二人は吹っ飛ばされ、壁に激突した。

ソージ! 行けるか!?

ああ、すぐ追いつくから先に行ってくれ……!

 片足をつき、床で防御体勢をとったまま、動かないソージ。

ここは先を急いだほうが賢明だわ

し、死ぬなよソージ!

うちはソージくんの手当てを!

頼む!

 そういって僕らはソージとヒーチを残し、王座を目指す。

 頭から倒れこむソージ。

あいつ……良い奴だな……

うん、とっても! うちらのマスターだからね!

pagetop