シェリー!

クレア

ライトウィップ!

きゃっ!

 クレアはシェリーを魔法で縛り上げた。

え?

お、おい! 王女にそんなことしてアンタ大丈夫か!?

本当に

 クレアは涙ぐむ。

本当に心配したんだから……

クレア……

 シェリーとクレアは抱き合う。

 やっぱりクレアは優しい人だ。

シン、みんなに紹介したい人がいるんだ

お久しぶりです……

どなた……?

やっぱり覚えてないんですね……

……はじめまして、マリと言います

 そして僕は、マリの過去、マリの呪い、マリを仲間にしたいということ、村で起きた全てを語った。

 もちろんシン達は何の抵抗もなくマリを迎え入れた。

拓雄の友達は俺の友達だ!

 良い男だ。
 いつか高いツボを買わされるのだろう。

 そこへ、ロイが走ってくる。

おいっ! みんな、来てくれ!

どうしたんですか!?

ソージが目覚めたんだ!

わ、わかった!

 黒の魔術師が潜んでいたギルドのマスター、ソージが目覚めたとのことで、僕らは急いで向かった。

 なんとしても手掛かりを聞き出したいところだ。

もう、大丈夫だよー!

 ソージはヒーチに手当てしてもらい、ずっと看病してもらっていたそうだ。

 ヒーチは、僕のときといい、本当に献身的で優しい女の子だ。

あ、あの、お名前なんて言うんですか?

ん? うちはヒーチだよー!

かかか、彼氏とかいるんですか?

おいこら! 俺の仲間を勝手にナンパしてんじゃねえ!

 シンがソージに飛び蹴りを食らわす。

いでっ!

ちょ、病人に何するかなー!

ナンパじゃねえ! 俺は硬派だ! 純愛だ!

 これはまたシンとソージ、暑苦しそうな組み合わせになりそうだな。

で、お前とあの黒の魔術師はどうゆう関係なんだよ!

なんでギルドバトルなんかに参加してたんだ!

奴はどこに逃げた!

シン、とりあえず落ち着いて……

俺は……

 こうしてソージは今までの出来事を話しだした。


 ソージは、やはり妖術をかけられてずっと操られていたらしい。

 そして黒の魔術師は、王に近づき、王を操り、最終的に世界を支配するのが狙いのようだと彼は語る。

なるほど、イルラン国の王はめったに民衆の前に顔を出さないから

優勝して王に近づける時を狙い、妖術をかけて世界一の魔術国イルランを手にする予定だった

なるほど! さすがクレアさん鋭い!

でも待てよ! そしたらうちだけじゃなく、グラン王も狙われる可能性あるんじゃねーか!?

確かに!

お父様も謁見には細心の注意を払われてらっしゃるから、妖術にかかるようなことはないと思いますが

とにかく、一度グランへ戻るか!

そうね

俺も連れていけ!

へ? 疾風迅雷も俺にくれるのか?

いや、誰もそうとは言ってねーだろ

とにかく、ロイ達はイルランを守っていてくれ!

ああ、気を付けてな

 そして僕らは一度、グラン王国へ戻ることとなった。

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