ああ、自分はどこで間違えてしまったのだろうか。




こんなはずではなかった。



あの憎き貌のなき神には遠く及ばない。



そもそも復讐ですら愚かだったのだ。



ああ、



どうかあの子だけはあの神とはこれから先、



無関係であってほしいと願わずにはいられない。



最期に愚かなる自分に



力を貸してくれた神を讃えるとしよう。


いあ イア Cthugha

とりあえず、みなさん食事をとりましょう。
お腹すいたでしょう?

重苦しい空気のなかに響く落ち着いた声。

逆に落ち着きすぎてある種の恐怖を伴っている。

その声の主は
エビット。 エビット=オーステイン。

この館の主である。

この状況で食事なんてできるわけないじゃない!!!

この声の主は シェミー。

苛立ちのせいか整っている顔がだいなしだ。

彼女の言い分も確かにその通りだ。

人が 死んだのだから。

だが

腹は減るもんだしとりあえず、食事にしませんか?

腹が減ったのだ。いたしかたない。

自分でもこの神経の図太さはどうかと思う。

まあ、そこのクソジャップに言う通りです。
昨日の朝からなにも食べていません。

彼女は日本人が嫌いらしい。

名前すら教えてもらえなかった。

でも食事が喉に通るきがしません。

流し込みなさい。

なかなか手厳しそうだ。

弱音を吐いたのは ジャック。

おそらくこの中でも最年少だろう。

あのーほんとにポールさん死んでしまったんですか?

彼女は 森須 恭子。

ポールは今朝、自室で無残に殺されていた。

そして警察にも通報せずにいるのは

俺たちが孤島にいるためである。

なぜ、俺たちがこんなところにいるかというと

俺はある船に乗り 

嵐にあい 船は沈没 ボートで脱出 一日かけて

昨日たどりついたのがこの孤島。

有人島だった、ただし一人しかいなかった。

全員そんな境遇らしい。

あいにく嵐は続いており、外部への連絡手段はなし。

まるで事件がおこりそうだ。

いや、起こった。

起こるべきにしてのごとく。





あんな殺され方は即死でしょう。
あ、ちなみに脈はありませんでしたよ。

あんな殺され方とは、頭を槍のようなモノで一突き。

脈なんてあるわけない。

そして彼は グリシャ。医者の卵らしい。

はは…ですよね。
なんだか現実感なくて。

彼女は力なく笑う。

この中に犯人がいるんでしょう?
早く犯人を捕まえましょう?!
そのために一堂に会してるんでしょう!

まあ、落ち着きましょう。
気持ちは痛いほどわかります。
しかし、焦っていいことはありません。

焦るきもちは痛いほどわかる。

だが、彼女は軽く錯乱状態になっている。

落ち着けないと。

落ち着けですって?人が死んだのよ?!
落ち着けるわけないじゃない!

そう言われるとそうなのだ。

取り乱しているのは、彼女だけがなのだ。

周りはこの状況に対してあまりにも冷静なのだ。

もうこんなとこ散々よ!

ついに彼女は自室に戻ってしまった。

それと入れ替わりにのように

いつの間にかキッチンに行っていた

デビットが料理を持って現れた。

ではみなさん食事にしましょう。
後で誰か彼女にも食事を持って行ってあげてくれませんか?

俺が行くとしよう。

正直俺は彼女に惚れているかもしれない。

こうしてこの日は終わると思っていた。

続いたらいいなぁ

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